
あらゆるモノがデータ化されつつある今、写真や動画がストレージを圧迫しているという人は多いと思います。
クラウドサービスを契約したり、自宅のパソコンにバックアップしたり、あるいはNAS上にバックアップしたり……と色々な保存方法がありますが、ランニングコストなどを考えてまだ足踏みしているというケースも多々あるでしょう。
そんな人にピッタリな選択肢に今後なりそうなのが『UGREEN NASync』シリーズ。アメリカのクラウドファンディングでは10億円を集めるなど、かなり注目されているプロダクトで、満を持して日本にもやってくるというわけ。
今回はレビューの第一弾として「そもそもNASyncシリーズってなに?」といった疑問から、提供していただいた『DXP4800 Plus』のセットアップ、さらには各アプリの使い心地を紹介します。
ちょうど記事を公開した2月14日から、最大40%オフで手に入るGREEN FUNDINGでのキャンペーンも始まっています。ぜひ記事を参考にしたうえでページもチェックしてみてください。
※この記事はUGREEN JAPANの提供でお送りします。レビューにあたっては各製品サンプルをご提供いただいているほか、制作報酬が発生しています。
目次
UGREENのNAS『UGREEN NASync』シリーズについて

あらためて今回紹介していくUGREEN NASyncをざっくりまとめると、ネットワークに接続してデータを保存できる記憶装置『NAS』になります。
ネットワークを経由して自分のPCにマウントすれば内蔵・外付けストレージのように扱え、設定次第で自宅外からでもデータにアクセスでき、かつ大容量ストレージが用意できるとあって、根強い人気を誇ります。

そんなNASというジャンルに今からUGREENが参入して大丈夫なのか?と思われるかもしれませんが、心配は無用。
アメリカではすでに市販も始まっているほか、市販前に行われたクラウドファンディングでは10億円を集めたというとんでもない記録を持ち、日本よりも一足先に浸透しているというわけ。
今回、本国より1年ほど遅れての日本市場参入ということで、日本語ローカライズ・日本語サポートばっちり。
特にクラウドストレージサービスを意識したような機能・アプリが多数搭載されていて、ローカルストレージならではのメリットとクラウドストレージの便利さを両立させたような使い心地の高さが魅力。
長期的にクラウドストレージを契約するのであればNASyncとハードディスクを買ってしまったほうが快適なのでは…と思うほどで、オススメ度合いは高いです。
DXP4800 Plusをチェック

簡単にNASyncシリーズについて触れたところで、実機を紹介していきましょう。日本における『UGREEN NASync』は
- 2ベイモデルのDXP2800
- 4ベイモデルのDXP4800 Plus
- 6ベイモデルのDXP6800 Pro
の3シリーズが展開されていますが、今回は真ん中のモデルにあたる『DXP4800 Plus』を提供していただきました。


本体前面はディスクスロットと電源ボタン・アクセスランプのほかに、SDカードスロット、USB 3.2 Gen 2 Type-C、USB 3.2 Gen 2 Type-Aが備わっているかたち。
背面は前面よりもポート類が多く
- HDMI 2.1ポート
- USB 3.2 Gen 1 Type-A × 1
- USB 2.0 Type-A × 1
- 2.5GbE LANポート × 1
- 10GbE LANポート × 1
- リセットボタン
- 電源ポート
が並んでいます。LANポートは1つのみ使ってもいいですし、後に紹介するリンクアグリゲーション機能を使って転送速度をアップさせるのにも使えます。

大きさは高さ178 × 横幅178 × 奥行258mmと4ベイNASとしては一般的な大きさですが、アルミ筐体を使っていることもあって重さはずっしりきます。
すべてのベイに3.5インチハードディスクを搭載すると約6kgとのことで、取り扱いにはちょっと注意が必要かも。

メモリーやM.2ストレージの増設・換装はNAS底面のネジを外して行います。デフォルトでは8GBのメモリーがセットされているので、必要に応じてパーツを入れ替えていくのが賢い運用かも。
NASync DXP4800 Plusのスペック
そのほかの主要なスペックについてはスペックシートにまとめました。なんといっても最大ストレージ容量88TB、最大メモリ容量64GBというパソコン顔負けの最大スペックが魅力的です。
プロセッサー | Intel 第12世代 Pentium Gold 8505 |
メモリー | 8GB DDR5 4800MHz SO-DIMM (2スロット、最大64GBまで拡張可能) |
ストレージ | 3.5 or 2.5インチ SATA 6Gbps × 4 M.2 2280 NVMeスロット × 2 |
対応RAID | JBOD/RAID 0/1/5/6/10 SSDによる読み書きキャッシュ対応 |
最大容量 | 88TB (4 × 22TB HDD) 8TB (2 × 4TB NVMe) |
内部OS | UGOS Pro |
ネットワーク | 10 GbE LANポート × 1 2.5 GbE LANポート × 1 |
接続端子類 | USB 3.2 Gen 2 Type-A × 1 USB 3.2 Gen 2 Type-C × 1 USB 3.2 Gen 1 Type-A × 1 USB 2.0 Type-A × 1 HDMI × 1 SDカードスロット 3.0 × 1 |
寸法 | 178 (H) x 178 (W) x 258 (D) mm |
重量 | 約6kg(ドライブ込み) |
保証 | 2年(電話・メールサポートあり) |
ストレージホットスワップ | 対応 |
4Kビデオトランスコード | 対応 |
NASync DXP4800 Plusをセッティングしてみよう

ざっとDXP4800 Plusの概要について紹介したところで、さっそくNASync本体を組み上げていきましょう。といってもストレージ・メモリの換装をしない場合はハードディスクの組み込みだけでOKなので簡単です。
今回はNASync DXP4800 Plusとセットで、Western DigitalのNAS用ストレージ『WD Red Plus』8TBを4本提供していただいたので、こちらを組み込んでいきます。



トレイのレバーを上図の様に持ち上げ、手前に引くとHDDトレイが取り出せます。ドライバー要らずなので助かるところ。
トレーの片側を横に引っ張るとストレージが挿入できるようになるので、ハードディスクを装填して片側を戻すだけ。トレイへの取り付けもネジ不要なのが初心者にもかなり親切だなと感じます。

ネジやドライバー不要だとうっかりミスでストレージが外れるんじゃないか?と思われるかもしれませんが、心配は無用。専用のロックキーで各スロットをロックできるので、運用前に施錠しておけば万が一の事故も防げます。

今回はメディアサーバーとしてもしっかり運用したかったので、キャッシュ用のM.2 SSDをセットすることにしました。PCと違って転送速度が重要なわけでもないので、512GBで5,000円程度のものを選択。
なおM.2 SSDを2枚セットしている際にはそれぞれが「読み取りキャッシュ」「書き込みキャッシュ」として機能しますが、1枚の場合は「読み取りキャッシュ」のみになるので注意が必要です。



M.2 SSDをネジ止めして、その上から放熱用のヒートシンク(付属)を貼り付けます。
なおM.2 SSDを2枚セットしている際にはそれぞれが「読み取りキャッシュ」「書き込みキャッシュ」として機能しますが、1枚の場合は「読み取りキャッシュ」のみになるので注意が必要です。
セットアップはアプリから簡単にできる

NASに限らずネットワークに接続するデバイスは初期設定が面倒な印象がありますが、NASyncはそのあたりもしっかり配慮されています。
LANケーブルをセットしてNASyncの電源を入れ、スマートフォン・タブレット・PCから専用アプリ『UGREEN NAS』を立ち上げると、自動でNASyncを認識します。


指示に沿って進んでいくとセットアップが終わってストレージの設定に移ります。慣れていない人でも5分程度で終わる作業なので、これなら手間取ることもないだろうなという印象を受けました。


ストレージプールの設定では使いたいRAIDの設定やSSDキャッシュの設定を行います。
NASという仕組みの都合上、一度設定したRAIDタイプを後から変更するのは不可能に近いので、このあたりは各々調べていただいて環境に合った適切な設定にするのが良いと思います。
ストレージの初期設定はだいたい1日程度かかるので、この間にデータは移行せず気長に待っておきましょう。
NASへのアクセスはUIが統一されていて便利
スマートフォン・タブレットからのアクセス

スマートフォン・タブレットからは、専用アプリ『UGREEN NAS』を通じてアクセスします。基本的にPC・ブラウザなどとUIは同じで、各プラットフォーム・デバイスをまたいでも使い勝手は大きく変わりません。
PCからのアクセス

PCからNASyncのホーム画面やデータにアクセスしたい場合は、先ほど紹介した『UGREEN NAS』アプリか、NASync本体のIPアドレスをブラウザのアドレスバーに打ち込みます。


「ストレージにデータを入れたい!」「外部ディスクのように使いたい!」という場合は、エクスプローラーやFinderから「ネットワークドライブを割り当て」「サーバーに接続」などを使用してアクセスすればOKです。
僕の場合はLightroomの写真保存先としても使っているのでネットワークドライブとして運用しています。
テレビなどからのアクセス

テレビからNASync上のデータにアクセスする場合は、基本的に動画ファイルのみが視聴できます。
DXP4800 Plus背面のHDMI端子からケーブルを接続している場合はNAS-テレビ間で直接転送ができますし、DLNAサーバーを有効にしていれば家庭内LAN経由でも映像が楽しめます。
読み書き速度を比較してみよう


セットアップが完了したところで、簡易的なスピードテスト(読み書き速度のテスト)をしてみました。画像左側がこれまで使っていた他社製のNASで、右側がNASync DXP4800 Plusの速度。
それぞれ1GbE接続ですが、基本スペックの違いやSSDキャッシュが効いているのか、NASyncは1GbEの転送速度上限に近い数値が出ています。数値にしては20MB/sほどですが、この違いは使うと結構分かるレベルです。

2.5GbE接続にアップグレードしてみるとこんな感じで、シーケンシャルであれば300MB/sほど。ここまで来るとNAS内のRAWファイルもラグなく扱えるようになります。
10GbEで接続するとさらに速度は上がりそうですが、正直自宅でメディアサーバーとして運用する程度であれば2.5GbEでも十分そうです。
各専用メディアアプリみたいに使えるアプリ『UGREEN NASync』

他社のNAS製品とUGREEN NASyncで違うのは、搭載されているOS『UGOS』とそのアプリケーション類が圧倒的に使いやすいところ。
特にメディア閲覧用のアプリ(音楽・写真・シアター)はそれぞれ専門のアプリにも引けを取らないレベルで、まさに「自分専用クラウド」として運用するにはぴったりの作りになっています。
スクリーンショットの分かりやすさからPC・ブラウザの画面をベースに紹介しますが、スマートフォン・タブレットでも使い勝手は同じです。
バックグラウンド再生もできる「音楽」アプリ

まず「音楽」アプリは、NASyncのライブラリ内にある音楽ファイルを自動で分類し、ブラウザ・アプリから視聴できる設計。
スマートフォンアプリでもバックグラウンド再生ができるので、人によっては本体ストレージに音楽を保存せず、UGREEN NASアプリ経由で音楽を聴く!なんてこともできそうです。
テレビなどに直接投影もできる「シアター」アプリ

「シアター」アプリは、各動画のメタデータを参照して自動でタイトルや詳細を設定してくれる作り。4Kビデオトランスコードにも対応しているので、高画質な映像でもラグなしで快適に視聴できます。


前に紹介したように、NASyncとテレビをHDMI接続して、AirPlay/ChromeCastではなく直接テレビに出力することもできます。
ただし、現状のソフトウェアだと「リモコンで操作してそのまま鑑賞」というわけではなく、モバイルアプリから「HDMI再生」を選ばないといけないので、このあたりは要改善でしょう。
とはいえ、NASとテレビを直接繋ぐことで高画質のビデオを劣化・ラグなく視聴できるのはオタクとしても嬉しいところです。
顔グルーピング・GPSマッピングなどクラウドフォトさながらな「写真」アプリ

「写真」アプリはスマートフォン内の写真をバックアップできるようになっていて、さながらクラウドフォトアプリのような感じ。一度設定してしまえば後は自動なので万が一のときも安心です。


写真はRAWデータも含めEXIFが閲覧でき、位置情報ベースでの分類も全自動です。
AI処理で人物の顔を自動グルーピングしてくれます。ひととおり見た限りでは精度も上々でした。

重複写真の管理や外部との共有設定、果てはAIエンジンを使用したカスタム学習もできるので、文字通り「自分専用クラウドフォト」みたいな感じで使えそう。
もちろんAI処理は完全ローカルで行われているので、外部にデータが漏洩してしまうリスクもありません。写真アプリを削除したときには処理データも含めて消去されるそうなので安心です。

これらのアプリはそれぞれストアから入手できるようになっていて、他にもNASを便利に使えるアプリが配布されています。今後アプリが増えればその分拡張性が上がるので期待したいところです。
まとめ

こんな感じで、今回はUGREENから新たに発売されるNAS『UGREEN NASync』シリーズから、『DXP4800 Plus』のセットアップ~各アプリの試用までをまとめてみました。
ひと通り触ってみましたが、セットアップも楽・使い勝手も良しと、NASを使ってきた人の乗り換え先としてはもちろん、これからNASを使い始めたい!という人にもオススメできる製品だと感じました。

継続的に課金が必要になるクラウドストレージと違って、NASの場合は一度お金をかけて揃えてしまえば追加のコストは(破損しない限り)かかりません。長期的にデータを保存しておくのであれば、NASのほうがトータルのコストは安価に抑えられるというわけ。
もちろん大手クラウドサービスはAIなどの先進機能が使えるというメリットもありますが、「写真をたくさん管理したい」「友達とファイルを共有したい」といったニーズであれば、NASyncシリーズでも十分ではないでしょうか。
かなり長くなってしまったので、「実際に僕がどう使っているのか」や、クリエイティブなシーンで使う人が知りたい細かいポイントについては、レビュー後編でお送りします。
さて、『UGREEN NASync』シリーズは、本日2月14日からGREEN FUNDINGにてクラウドファンディングが始まっています。
『NASync DXP4800 Plus』は、通常99,880円のところ、最大40%オフの59,928円で購入できます(ドライブは含みません)。
今回は紹介していない2ベイモデルの『DXP2800』、6ベイモデルの『DXP6800 Pro』もそれぞれ割引価格になるとのことで、NASを導入するチャンス。クラウドファンディング価格はかなりお買い得だと言えるレベルですので、この機会をお見逃しなく。