業界最高レベルはやっぱり最強。
2018年末にうっかりBoseの『QuietComfort 35』を購入したことは実機レビューでも紹介しましたが、実はQC35の購入から数ヶ月経った今年の4月に、ソニーから発売されているノイズキャンセリングヘッドホン『WH-1000XM3』も購入してしまいました。
せっかく購入したんだからしっかり使い込んでレビューしないと!ここ1ヶ月間あれこれ使ってみたので、今回は
- 先代モデル『MDR-1000X』との比較
- 競合モデル『QuietComfort 35』との比較
などを中心に、ソニーから発売されている最新のノイズキャンセルヘッドホン『WH-1000XM3』のレビューをまとめていこうと思います。
目次
ソニーのノイキャンヘッドホン『WH-1000XM3』について
今回紹介する『WH-1000XM3』は、2018年9月にソニーから発売されたノイズキャンセリングヘッドホン。
ソニーの最上位ノイズキャンセリングヘッドホンとしては2016年の『MDR-1000X』2017年の『WH-1000XM2』に続く3代目のモデルで、基本的なデザインは踏襲しつつも質感・装着感の向上、およびノイズキャンセリング性能の格段なアップデートが行われています。
そのほか、USB Type-Cを使用した急速充電(USB Power Deliveryには非対応・10分充電で5時間の音楽再生)やアプリ『Headphone Connect』での設定変更にも対応。
特に装着感とノイズキャンセリング性能の大幅な向上は、僕のように2016年の『MDR-1000X』を購入し愛用していた人はもちろん、2017年の『WH-1000XM2』を利用している人にとっても大きな魅力になるのではないでしょうか。
価格は店舗・ショップによってまちまちではありますが、おおよそ35,000円前後。価格が下がりやすいAmazon・楽天はもちろん、限定の長期保証も付与できるソニーストアでの購入もオススメです。
ソニー『WH-1000XM3』レビュー
さて、サクッと『WH-1000XM3』を開封していきます。 外装を開けるとすぐにトラベルキャリングケースに入った本体が登場。付属品もキャリングケースの中に入っています。
『WH-1000XM3』の付属品
- WH-1000XM3本体
- USB Type-A to USB Type-Cケーブル
- 3.5mmオーディオケーブル(有線接続用)
- 航空機用のヘッドホンアダプター
キャリングケースから取り出した本体。今回からアクセントカラーにローズゴールドが採用されていて、見た目は以前のモデルよりも高級感に溢れています。
初代『MDR-1000X』の頃から搭載されているNFCアンテナも健在。
NFCに対応しているAndroid端末であればここにタッチするだけでWH-1000Xと接続可能で、Bluetooth設定をスルーできるのが意外と便利かも。『Google Pixel 3 XL』と接続するときには良く使っています。
『WH-1000XM3』の基本スペック
- 重さ: 約255g
- 最大再生時間: 最大30時間(NC ON時)、最大38時間(NC OFF時)
- 対応コーデック: SBC・AAC・aptX・aptX HD・LDAC
先代モデル『MDR-1000X』『WH-1000XM2』とどこが変わった?
ここまで『WH-1000XM3』の開封の様子やちょっとした外観について紹介してきましたが、先代モデルである『MDR-1000X』『WH-1000XM2』と比較すると「かなり進化したなあ…」と感じるところも多々。
というわけでここからはすでに『MDR-1000X』を2年くらい使っていた僕が『WH-1000XM3』を使ってみて感じた「ここが変わった・良くなった」なんてところについて紹介していきます。
『MDR-1000X』『WH-1000XM2』からの変更点その1: ノイズキャンセリング効果が大幅に進化
なんといっても『WH-1000XM3』が注目されているのは、そのノイズキャンセリング性能が先代の2機種『MDR-1000X』『WH-1000XM3』と比較すると大きく進化しているから。
WH-1000XM3は新しい「QN1」と呼ばれるノイズキャンセリングのためのプロセッサーを搭載。従来よりも処理速度が飛躍的に上昇し、より多くのノイズを打ち消せるようになったことで装着時の静寂さがさらに上昇したというわけ。
実際に僕も『MDR-1000X』と『WH-1000XM3』を交互に装着しながらノイズキャンセリングの性能を比較しましたが、やはり最新モデルのWH-1000XM3のノイキャン効果は圧倒的。装着するだけで自分だけのプライベートスペースが生まれます。
『MDR-1000X』『WH-1000XM2』からの変更点その2: イヤーカップなどが大型化。着け心地も大幅改善
『WH-1000XM3』はデザインや構造も先代モデル2機種より変更されていて、より着けやすく・着け続けやすくなっています。
例えばデザイン面でいうと、直接着け心地には関係ありませんがイヤーカップ外部のコーティングが変更されていて、従来までのレザーっぽい加工から指紋の付きにくいマットなものに変わっています。
加えてこちらも先代モデルと変わっているのがイヤーカップ自体の構造。
WH-1000XM3はイヤーカップ自体のサイズがアップしたほか、それに付随してカップ内径も大きくなったので、装着している時に感じていた圧迫感がかなり薄まりました。
MDR-1000X(左)とWH-1000XM3(右)のイヤーカップを中心に比較してみるのこのような感じ。
WH-1000XM3の方がイヤーカップの内径が大きくなっていること、分かるでしょうか…。
あとは細かい部分でいうと、WH-1000XM3ではヘッドバンド(後頭部に接する部分)が『MDR-1000X』『WH-1000XM2』と比較するとかなりふかふかになっています。
装着感が軽く感じるようになったのは、もしかしたらこの辺りも影響しているのかも。
『MDR-1000X』『WH-1000XM2』からの変更点3: USB Type-C採用。急速充電に対応
『MDR-1000X』『WH-1000XM2』からの変更点3つ目は充電面。
先代モデル2機種はいずれも充電に必要な端子がmicroUSBで少しレガシーな印象があったのですが、『WH-1000XM3』は2018年モデルということもあってUSB Type-Cを採用。
加えてこちらは『WH-1000XM2』をすでに使っている人は体験済みの急速充電(USB PDではない)も「10分充電で5時間利用可能」へパワーアップ。
『WH-1000X』シリーズの急速充電について
- MDR-1000X: 非対応
- WH-1000XM2: 10分の充電で70分の音楽視聴
- WH-1000XM3: 10分の充電で5時間の音楽視聴
お出かけ前のちょっとした時間に充電しておけばそれなりにバッテリーを延命できるというのはかなりありがたいところです。
『MDR-1000X』からの変更点: アプリでの各種設定変更に対応
こちらは1つ前の『WH-1000XM2』から対応していますが、今回紹介している『WH-1000XM3』はスマートフォンアプリ『Headphone Connect』を利用した各種設定の変更・本体アップデートなどに対応しています。
こんな感じで、装着者の状況に応じてノイズキャンセリング効果を調節する「NCオプティマイザー」や外部の音を取り込む「アンビエントサウンドモード」などの調節・設定が可能です。
正直普通に使っている分にはここら辺の細かい設定はしないことの方が多いのですが、アプリ経由でソフトウェアのアップデートなどが行えるのでなかなか便利。
アプリ『Headphone Connect』で出来ること
- 行動を検出し最適なモードに変更する「アダプティブサウンドコントロール」の設定
- 外音コントロール
- NCオプティマイザー
- 音が聞こえる方向の変更
- サラウンドの設定
- イコライザー調節
- 音質モード(音質優先・接続性優先)
- NC/AMBIENTボタンの機能変更
- 自動電源オフの設定
- ソフトウェアアップデート
ノイキャンヘッドホンのライバル・Bose『QuietComfort 35』と比較する
ここまでWH-1000XM3を旧モデル2機種(MDR-1000X・WH-1000XM2)と比較しながら紹介してきましたが、やっぱり気になるのがライバルのBose『QuietComfort 35』との比較でしょう。
実際に僕もWH-1000XM3を購入する前はQC35を使っていましたし、今からノイズキャンセリングヘッドホンの購入を考えている人の中でも、これら2機種で「どれにしようかな〜」と思っている人は多いはず。
ちょうど手元に『WH-1000XM3』『QC35』の両者があるので、1週間くらい両者を使い分けてみたもまとめておこうと思います。
装着感はどちらも至高。「装着感の良さ」の方向性が違うので一概に比較は難しい
両者が比較されるときにBose QC35の優位点として取り上げられがちなのが「装着感の良さ」。
無論、僕がQC35を購入した理由は「MDR-1000Xよりも装着感が良いから」でしたし、QC35の軽いのにしっかりホールドしてくれる独特の装着感は病みつきになります。
ただ今回『WH-1000XM3』は、先述した通り先代モデル(MDR…/WH-1000XM2)と比較すると格段に装着感が向上していて、もはや「Boseの方が装着感が良いから」という理由でQC35を選択する理由は少なくなっているかなと感じます。
とはいえWH-1000XM3とQC35の「装着感の良さ」は同じようなものではないので、こればっかりは人によって違いが出てくるんじゃないでしょうか。
- WH-1000XM3の装着感: 耳全体をしっかりホールド。密閉感が強い
- QC35の装着感: 耳全体を軽くホールド。密閉感はそこまで強くない
イヤーカップの内径もWH-1000XM3とQC35は同程度。MDR-1000Xでは内径が小さくて苦労したので、大きくなったことで長時間の使用にも耐えられるようになりました。
ただ『MDR-1000X』で気になっていたイヤーカップの厚みは『WH-1000XM3』でも健在。耳全体をホールドしてくれる装着感の良さのために必要なのはわかりますが、QC35と比較するとやはり装着したときの不格好さが気になってしまいますよね。
Bose『QuietComfort 35』のレビューについてはつい先日このブログでも紹介しているので、詳しい情報などについてはこちらを参考にしてみてください。
『WH-1000XM3』のある日々は快適になった
4月に購入してからだいたい1ヶ月間にわたって『WH-1000XM3』を使っていますが、やっぱりなんとなくQC35よりも快適で、すっかりこちらばかり使っています。ソニーのヘッドホンに慣れていたのでしょうか…。
QC35で感じていた「イヤーカップが薄いから音が悪いように聴こえる」といった問題も無いし、MDR-1000Xに抱いていた装着間の悪さも解消されているので、今はすっかりこちらがメインです。
なにより使っていて「買ってよかったな」と感じているのが、性能が驚異的に向上したノイズキャンセリング機能。
MDR-1000Xでもすでに十分だったノイズキャンセリング性能がさらに向上していて、正直QC35のそれよりもかなり上回っているように感じます。ぶっちゃけ歩道を歩いているときに使うと危険なレベル。
それだけ性能が向上したこともあって、自宅やカフェなどで作業するときにWH-1000XM3を装着すると周囲はほぼ静寂。自分のキーボードの打鍵音やヘッドホンから流れてくる音楽だけが聴こえてくるので、集中したいときに必携のヘッドホンになりました。
イヤーカップが大きくなったことで、QC35で解消されていた「クルル二等兵現象」は復活してしまいましたが、それを持ってしても「普段使いしたい!」と思わせるのがWH-1000XM3。しばらくメインのヘッドホンとして使い倒そうと思います。
まとめ
こんな感じで、今回はソニーから発売されているノイズキャンセリングヘッドホン『WH-1000XM3』を紹介しました。
ノイキャンヘッドホンの初代モデル『MDR-1000X』からの買い替えということもあって「これくらいは進化していてほしいな…!」と思っていたところが軒並み想像を超えた進化を遂げていて、業界最強のノイズキャンセルヘッドホンにふさわしい一台だと感じます。
価格はおおよそ35,000円前後。価格面でも性能面でもQC35と悩む人が多いと思いますが、両者をじっくり試した僕は『WH-1000XM3』がおすすめです。
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