年の瀬が近くなり、ここ数年参加している毎年恒例アドベントカレンダー「今年のベストバイガジェット」の季節がやってきました。
昨年は広義の意味での「ガジェット」として、人生初のマイカーである『クラウンマジェスタ』をベストバイに選出しましたが、今年は一般的な意味での「ガジェット」に立ち戻り、2024年5月に購入したRICOHのコンパクトデジタルカメラ『GR IIIx HDF』を選びました。
ということで、今回はベストバイに選出した理由や、実際に半年以上使っていて気に入っているポイント・気になるところ、簡単な作例などをご紹介していこうと思います。
この記事は、ぜろ(@_0_zero)さん主催の「今年のベストバイガジェット Advent Calendar 2024」18日目の記事です。
目次
GR IIIx HDFをベストバイに選んだ理由と、僕のサブカメラ遍歴
あらためて、今年のベストバイガジェットに選んだのはRICOHのデジタルカメラ『GR IIIx HDF』。
APS-Cサイズのセンサーを搭載したコンパクトデジタルカメラで、同時に発売されたGR III HDFとは搭載されているレンズの焦点距離が違います。今回は標準域に近い40mmレンズを搭載したGR IIIx HDFを購入しました(GR III HDFは28mm)。
今回このカメラをベストバイに選んだ理由は、ここ数年の迷走を経てやっと自分にフィットするサブカメラが見つかったからです。
まずは簡単に、これまで僕がサブカメラとして使ってきたカメラたちの遍歴を振り返ってみたいと思います。
FUJIFILM X-T30(敗因: システムを構築してしまった)
初めて「サブカメラ」という立ち位置で購入したのが、FUJIFILMから発売されていた『X-T30』です。
当時使っていたα7R IIIと比べてコンパクトな点や、APS-Cセンサーを採用していることでレンズ・アクセサリーにかけるお金が安く済みそうだと思ったのが購入した理由です。
はじめのうちは、FUJIFILMならではの機能である「フィルムシミュレーション」に楽しさを感じて、JPEG縛り・レンズは増やさないルールで楽しく運用していました。しかし時間が経つにつれてみるみるレンズが増えてしまい、結果的にソニーEマウント・FUJI Xマウントとシステムを2つ運用することに。
その上、はじめJPEG縛りルールで運用していたのに何故かRAW現像へも手を出すことになってしまい、末期はα7R IIIとの使い分けに悩んでしまう始末。
結果的にEマウントレンズ1本を購入するタイミングで、FUJIFILMの機材はすべて売却することになりました。買ったレンズはこちらです。
ソニー RX100M5(敗因: RAW現像が必要なカメラだった)
次に購入したサブカメラは、ソニーから発売されているコンパクトデジタルカメラ『RX100M5』。
この時点では「レンズ交換式カメラ(X-T30)を購入したことが失敗だった」と自己分析していたので、サブカメラにはレンズ交換式カメラではなく、コンデジクラスのカメラが向いているのではないかと考えて購入したわけです。
実際に使ってみると、換算24-70mmのレンズを搭載していてズームもできるし、もちろんサイズはコンパクト。さらにα7R IIIと同じソニー製なので勝手知ったるUIということで、個人的にはかなり気に入っていました。
しかし、当時のセンサーと処理エンジンから出力される撮って出しの色味が個人的に好みではない(α7R IIIの色味も好きではなかった)ことを完全に忘れてしまっていて、購入して早々にRAW現像をベースとした運用をするようになってしまいました。
結果的に、気軽にパシャパシャ撮影できることがメリットであるコンデジ、そしてサブカメラにも関わらず、撮影した写真を毎回現像している現状がアホらしくなってしまったため、売却することに。
FUJIFILM X-E4(敗因: 購入時の倍額で売れてしまった)
直近最後に購入したサブカメラはFUJIFILMの『X-E4』になります。
「X-T30でド派手に失敗したのにまたレンズ交換式カメラかよ」と思われるかもしれませんが、前回の反省を生かして
- 所持して良いレンズは単焦点レンズ1本のみ
- 本当にJPEG縛り
というマイルールを決めて、あらためてFUJIFILMのカメラを持つようになりました。
この時にはX-T30を使っていた頃と比べて単焦点でも良い写りをするレンズが増えていましたし、フィルムシミュレーションのカスタマイズも慣れてきていたため、自分が気に入った色味の写真をたくさん撮影できました。
北海道や和歌山の白浜温泉など比較的国内のいろいろなところに持っていきましたが、初めてサブカメラとして運用に成功したカメラだなと感じます。
こんな感じで使い方や総合的な満足度は非常に高かったのですが、当時の中古市場の高騰から買ったときの倍額で売れるほどになっていたので売り抜ける形でお別れすることになりました。
こういった個人的なサブカメラの経験談から、今後もしサブカメラを購入するのであれば「小さくてレンズ交換式でJPEG縛りができる単焦点のカメラ」なら機材の入れ替えから卒業できると感じたわけです。
そんな中タイミングよく登場したのが、今回ベストバイに選んだ『GR IIIx HDF』というわけ。現在ではRICOHの公式ストアにて抽選販売となっていますが、僕は運良く先着販売の最終ロットを確保することができました。
コンデジならではのサイズ感がたまらん
なんといっても気に入っているのは、GR IIIx HDFのサイズ感です。僕が現在使っているiPhone 16 Plusよりも縦横ともに小さく、持ち運びたい時は小さいカバンだけでなくコートやダウンジャケットのポケットにもすっと収納できます。
X-E4も比較的小さなカメラで気に入ってはいましたが、GRを使っている今振り返ってみるとやはりポケットに入れての運用は難しく、この取り回しの良さはコンデジならではだなと思います。
イメージコントロールで自分好みの色味も自由自在
GR IIIx HDFで気に入っているポイントの2つ目はカスタマイズ性の高さです。
軍艦部右上に搭載されている3つのユーザカスタム用ダイヤルには、細部までカスタマイズしたお気に入りの設定を3つまで登録できます。
FUJIFILMのフィルムシミュレーションのように写真の色味をカスタマイズできる「イメージコントロール」も登録できるし、細部まで設定を変えて保存することでボタンの少ないコンデジの割にストレスフリーに使えます(UIがあまり良くないのは考えものですが)。
電池持ちの渋さは課題かも
もちろん気に入らない部分もあって、今のところ最も気に入らないのは電池持ち。
コンパクトデジタルカメラなので仕方ない部分もありますが、バッテリー容量容量が少ないことも影響してか、1泊2日以上の旅行に持って行くと旅程の後半で電池持ちが心配になってきます。
幸い本体にUSB Type-C端子があるのでモバイルバッテリーや充電器から充電することもできますが、外でケーブルを繋ぎつつカメラを使うとなるとせっかくのコンパクトさ・取り回しの良さが大きく欠けてしまいます。
今のところポイントで購入した予備バッテリーを複数個持ち歩くパワー運用で解決していますが、大容量バッテリーが登場してくれると嬉しいところ。
半年で撮り溜めたショットをいくつかお裾分け
最後に、GR IIIx HDFを購入しておよそ半年の間に撮り溜めた写真をいくつか作例として載せておきます。
序盤で触れたとおり、現在はカスタマイズしたイメージコントロールを3つ切り替えながらJPEG縛りで使用しています。使っているイメージコントロールのカスタムについては、過去に紹介しているので参考にしてみてください。
もう迷わない、サブカメラの決定版
実はX-E4を購入する時点でGR IIIxを購入するか非常に迷っていた過去があり、結果的には少し遠回りするかたちで手に入れることになったGR IIIx HDF。
相場暴騰によるX-E4の売却など紆余曲折ありましたが、手に入れてから半年経過しても総合的な満足度はかなり高く、あらためて買ってよかったカメラだなと感じます。
α7R Vとあわせてカメラシステムがようやくまとまった感がありますし、モデル周期から考えてもあと2年ほどは「x」モデルの後継機は出てこなさそうなので、しばらくはGRの世界を楽しみたいと思います。