装着感の軽いワイヤレスノイキャンヘッドホン。
「ノイズキャンセルヘッドホンが欲しい!」と思い立ったのは2017年。当時発売されていたソニーとBoseのノイズキャンセルヘッドホンを徹底比較し『MDR-1000X』を購入したのですが、見た目や装着間の問題から次第に使わなくなるように。
そんな中、2018年末のコストコにてBoseのノイズキャンセルヘッドホン『QuietComfort 35』が25%割引で販売されているのを発見。ちょうどMDR-1000Xに代わるヘッドホンを探してたし、平成最後の大晦日だし、なんて意味不明な理由をつけて購入してしまいました。
購入からしばらく使い込んだこの辺りで一度しっかりとしたレビューをまとめておこうと思ったので、今回は『QuietComfort 35』のレビューを紹介していきます。
目次
QC35について
今回紹介する『QuietComfort 35(以下QC35)』は、Boseから発売されているノイズキャンセルヘッドホン。
QuietComfortシリーズとして初めてBluetoothによるワイヤレスノイズキャンセリングを実現したモデルで、 Boseの強力なノイズキャンセリング効果はそのままに、ケーブルレスによる快適な音楽鑑賞が楽しめます。
ちなみに2017年にはマイナーアップデート版とも言える『QuietComfort 35 II』が発売されていますが、今回紹介しているQC35との相違点としては
- 左のイヤーカップ側面にアクションボタンが追加されている
- アクションボタンからAlexa・Googleアシスタントが起動できる
といったところ。
外観や音質・操作性など基本的な部分は初代QC35もQC35 IIも変わらないので、上記の部分が気にならない人は値段の落ちている初代モデルを購入するのもオススメです(実際に僕も初代モデルを購入)。
↓現在多くの店舗で購入できる最新モデルの『QuietComfort 35 II』はこちら。
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QC35を購入した理由
そんなQC35を僕が購入しようと決めたのは
- MDR-1000Xは側圧が強くて長時間使えない
- MDR-1000Xは音楽+音楽のマルチペアリングに非対応
の2点から。
MDR-1000Xは側圧が強くて長時間使えない
こればっかりは長時間使ってみないと分からない部分だったので購入した時の自分は責められないのですが、MDR-1000Xを長時間使うと側圧の強さでだんだん頭が痛くなってくるんですよね。
MDR-1000Xは性能や音質・本体の質感が良くて非常に満足していたのですが、頭が痛くなってしまうと作業も出来なくなってしまうので、連続して使えるのは2時間半くらい。
ノマド作業であればこれでも十分ではあるのですが自宅作業となると4時間くらい付けたい時もあるので、付けたい時に付けられないのはちょっともどかしかったですね。
MDR-1000Xは音楽+音楽のマルチペアリングに非対応
個人的にはこれが大きな要因だったんですけど、MDR-1000Xは音楽+音楽のマルチペアリングに非対応。
どういうかというと、iPhoneからMacに接続先を変えたいときは一旦iPhoneとヘッドホンとのBluetooth接続を解除して、その後Macにつなぎ直す必要があるんですよね。
- ウォークマンとスマートフォンの2台同時接続
- Androidスマートフォンの2台同時接続
- AndroidとiPhoneの2台同時接続
には対応しているんですが、僕のようにiPhoneとMac・iPhoneとiPadといった組み合わせは不可能。
その点QC35は音楽+音楽のマルチペアリングに対応しているので、iPhoneとiPad(Mac)を同時に接続しておけば、iPhoneでの音楽視聴をやめてiPadで動画視聴するときも
- iPhoneで再生中の音楽を一時停止する
- iPadで動画を再生する
だけで済みます。一見するとちょっとした違いかもしれませんが、切り替えのつどBluetooth接続の解除・再接続をしなくて済むのは超便利です。
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軽い装着感が魅力の『QuietComfort 35』レビュー
そんなわけで購入した『QuietComfort 35』を早速開封していきます。
カラーリングはブラック・シルバーの2色展開なのですが、今回は周りのガジェットとの相性を考えてブラックを購入しました。
トラベル用キャリングケースの中にQC35本体。ケースの中には本体の他に
- 有線接続用の3.5mmオーディオケーブル
- 航空機でヘッドホンを使うためのアダプター
が付属しています。
本体はステンテススチールやガラス繊維を使っていて耐久性は高め。普段使っていてカバンに入れる…程度であれば、わざわざキャリングケースに収納しなくても全く問題ありませんでした。
右側のイヤーカップ側面には音量の上下や楽曲再生ができるメディアコントロールボタンと、電池残量/Bluetooth接続状況を確認できるランプ搭載。
他にも右側のイヤーカップにはNFCのタッチポイントが搭載されています。
残念ながらiPhoneではこの恩恵を受けることができませんが、Androidの対応機種であればNFCポイントにタッチするだけで自動でBluetooth接続されます。ここはMDR-1000Xも同じですね。
バッテリー持ちはノイズキャンセリングをオンにした状態で無線利用で20時間・有線利用で40時間と、ワイヤレスのノイズキャンセルヘッドホンの中では標準的。
「無線利用で20時間」って聞くとバッテリーが少ないんじゃ?と思うかもしれませんが、毎日往復の通学約2時間をヘッドホン装着で過ごしていたとしても充電は10日に一回でOK。
万が一充電し忘れたとしても、QC35には「15分の充電で2時間半再生できる」急速充電機能も搭載されています。ケーブルを持ち歩く手間こそかかりますが、残量が少なくなってもモバイルバッテリーでちょっと充電すれば最低限のバッテリーが確保できるのは嬉しいですよね。
1つ残念だったのが、充電端子がmicroUSBだったところ。これは2017年発売のQC35 IIでも同じで、割と新しいデバイスなのに充電端子がレガシー気味のmicroUSBだったのが残念です。単純にケーブルが1つ増えることにもなってしまいますしね。
メガネ装着でも痛くないQuietComfort 35の装着感が好き!
何度も書いているように、僕が今回QC35を購入したのは「MDR-1000Xよりも軽い装着感」に惹かれたから。
そもそもQC35はMDR-1000Xと比較すると重量も軽いのですが、重量の差よりも側圧が適度な具合になっていることが装着感の軽さに繋がっている印象があります。
- MDR-1000Xの重量: 275g
- QuietComfort 35の重量: 234g
耳をすっぽりと覆うイヤーカップはソフトクッション製で沈み込みも深い上、カップの内径はかなり大きめ。
メガネのモダン部分(耳にかけるところ)もほぼ全て覆えるので、 中途半端になったメガネで耳を痛めつける心配もないのが最高です。
ヘッドバンドには耐久性と装着感に優れているとされ、ヨットや高級車にも使われているAlcantara素材を採用。
今までにない肌触りと、ヘッドホンをつけても重さを感じない質感が使っていて新鮮です。
専用アプリ『Bose Connect』でノイズキャンセル効果は調整可能
当然電源を入れればノイズキャンセルが有効になるのですが、外出中にヘッドホンをつけながら歩いているとどうしても外部の音に気付かず、思わぬアクシデントに発展してしまう危険性もあります。
QuietComfort 35はそんな不測の事態を防いだり、ユーザーが好きなノイズキャンセル強度で音楽を楽しめるように専用アプリ『Bose Connect』を通した3段階のノイズキャンセル効果調節に対応。アプリの中から簡単に設定が変更できるので、自分のライフスタイルに合わせて柔軟にコントロール可能です。
アプリからは現在接続しているデバイスの管理・バッテリー状況の確認・ファームウェアアップデートなどヘッドホンを活用する上で便利な機能が詰まっているので、ぜひスマートフォンにもインストールしておきましょう。
ソニー『MDR-1000X』との比較
QC35本体についてざっと紹介したところで、今まで使っていたソニーの『MDR-1000X』と比較していきましょう。
ソニー『MDR-1000X』のスペック
- 重さ: 約275g
- 最大再生時間: 20時間(無線・NCオン時)、36時間(有線・NCオフ時)
- 対応コーデック: SBC・AAC・aptX・LDAC
Bose『QuietComfort 35』のスペック
- 重さ: 約234g
- 最大再生時間: 20時間(無線・NCオン時)、40時間(有線・NCオフ時)
- 対応コーデック: SBC・AAC
参考: ボーズの2016年発売Bluetooth接続対応ヘッドフォンはAACコーデックに対応している | Macお宝鑑定団 blog(羅針盤)
ざっくり両者のスペックを見てみるとこのような感じ。
僕自身ヘッドホンにすごく詳しいとかでは無いので単純な比較はできないのですが、ハイレゾ音源再生など音質にとことんこだわっているのがソニー、装着感なども含めて手軽にノイズキャンセル環境を楽しめるのがBoseといった感じでしょう。
MDR-1000Xと比較するとQC35のイヤーカップはかなり小さくて厚みも少なめ。
ヘッドホンってどうしても装着するとイヤーカップの大きさが目立ってしまいがちで次第に外で使うのが億劫になってきてしまうので、QC35のように本体がコンパクトになっているのは個人的にかなりありがたいところです。
キャリングケースはMDR-1000X付属のものの方が小さめになっていました。
ソニーのノイズキャンセルヘッドホンについては、最新モデルの『WH-1000XM3』も購入・レビューしています。最新モデルだけあって気になる人も多いと思うので、ぜひこちらもチェックしてみてください。
QuietComfort 35を実際に使ってみて
2018年末に購入してから大体3ヶ月、冬の間はヘッドホンの方が暖かいからということもあってQC35は毎日欠かさず使っていましたが、ある程度長期にわたって使ってみた感想は
- つけ心地が軽い分、音質はMDR-1000Xより悪い(ように聴こえる)
- 見た目がスリムで外でも使いやすくなった
といったところ。1つずつ解説していきますね。
音質はMDR-1000Xより悪いように聴こえる
Boseの発売する最高峰のノイズキャンセルヘッドホンということもあり、音質はかなり良好です。
これまで『MDR-1000X』の他に『AirPods』『Zolo Liberty+』などワイヤレスのイヤホン・ヘッドホンは多く使ってきましたが、その中でも上位に食い込むことは間違いない。
『MDR-1000X』と『QuietComfort 35』を比較した記事でも言及していた通り、当初はMDR-1000Xとの音質の違いが気になっていたのですが、QC35を使い続けているうちに
「QC35のイヤーカップはMDR-1000Xより薄く、外部の音が聞こえやすい。物理的に遮音できない音が入ってくるので、結果的に音が悪いように感じる」
んじゃないかなと感じました。一度そこに気がついてからは、特に「音が悪い!使えない!」と不満を抱くこともなく使い続けています。
それ以外の音質面では、Boseにありがちな強い低音は割と抑えられていて、良い意味で低音がしっかり鳴るバランスの取れた音じゃないかなという印象があります。オーディオオタクではないのであまり深くは書けないのですが、まあ一般的な大学生が聴いても違和感はないレベル。
対応コーデックはAACとSBCなので、iPhoneを使っている限りは音質面に不満を抱くこともないのではないかなと感じます。
見た目がスリムで外でも使いやすくなった
先ほども比較した通り『MDR-1000X』はイヤーカップの厚みが結構あって、うっかり鏡をみると「ケロロ軍曹に出てくるクルル二等兵」そっくりな自分が写っていることが多くて段々と外での使用頻度が減っていったんですよね。
その点QC35はイヤーカップがかなり薄くなっていて、流石に「ヘッドホン着けてないみたい」とはいかないまでも、クルル感はだいぶ薄まったんじゃないかなあと思います。
まとめ
こんな感じで、今回はBoseから発売されているノイズキャンセリングヘッドホン『QuietComfort 35』を紹介しました。
現在は後継モデル『QuietComfort 35 II』が発売されていることから、Boseアウトレットストアや大型スーパーのコストコなどで26,000〜30,000円くらいの幅で初代QC35が売られています(いわゆる在庫処分に近い)。
当然GoogleアシスタントやAmazon Alexaなどの音声アシスタントに対応したQC35 IIも魅力的ではあるのですが、純粋に「ワイヤレスで快適な音楽鑑賞がしたいんだ!」という人にとっては、音声アシスタント対応有無以外の性能差が全くない初代QC35は非常に魅力ではないでしょうか。
↓現在購入できる最新モデルの『QuietComfort 35 II』はこちら。
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