ソニーのミラーレス機『α7R III』を購入してから約1年、気がつけば1万枚以上の写真を撮ってきました。
ボディの購入から半年間はタムロンの『28-75mm F/2.8 Di III RXD』という軽量なF2.8ズームレンズだけを使っていたのですが、桜が綺麗になってくる季節に広角ズームレンズ『Vario-Tessar T FE 16-35mm F4 ZA OSS』を購入し、ズームは2本体制で頑張っていました。
が、7月ごろにタムロンから発売された軽量の広角ズームレンズ『17-28mm F/2.8 Di III RXD』がF2.8通しということで気になってしまい、在庫が豊富になってきたこのタイミングで購入してしまいました…。
3週間ほど使っているので、買い替え元として持っている人も多そうな『Vario-Tessar T FE 16-35mm F4 ZA OSS』との比較も交えながら作例を紹介していきます。
目次
タムロン『17-28mm F/2.8 Di III RXD』について
今回購入したタムロンの『17-28mm F/2.8 Di III RXD』は、2019年7月に発売された焦点距離17-28mm(フルサイズ)のズームレンズ。
タムロンは去年からEマウント向けに軽量のF2.8通しズームレンズを発売していますが、このレンズはそれの第2弾。
焦点距離こそ一般的なズームレンズと比較して狭めですが、F2.8通しのズームレンズで重量420gは異常と言っても良いレベル。
前述の通りソニー純正の『Vario-Tessar T FE 16-35mm F4 ZA OSS(SEL1635Z)』を持っていたので買い替えに躊躇していたのですが、マップカメラの買取システムを巧みに使えば3万円ほどで買い替えできることが発覚。気がついたときには手元にありました…怖い。
レンズ構成 | 11群13枚 |
---|---|
絞り枚数 | 9枚 |
開放絞り | F2.8 |
最小絞り | F22 |
手ブレ補正 | 非搭載 |
最短撮影距離 | 0.19m(ワイド端) 0.26m(テレ端) |
最大径×全長 | 73mm x 99mm |
フィルター径 | 67mm |
重量 | 420g |
タムロン『17-28mm F/2.8 Di III RXD』をチェック
そんなわけでこちらが今回購入したタムロンの『17-28mm F/2.8 Di III RXD』。
すでに店頭でサンプルを触っていたのでサイズ感は理解していましたが、改めて手元に届くと本当に小ささが際立ちます。これでF2.8通しのズームレンズなのか…。
個人的に『17-28mm F/2.8 Di III RXD』で一番魅力的に感じたのが、インナーズーム方式なのでレンズが繰り出してこないところ。
動画の撮影用に『Weebill Lab』というジンバルを購入して使っているのですが、レンズが繰り出してくるとジンバルのバランスが崩れてしまって調整が大変なんですよね…。その点タムロンのレンズであればバランス調整がかなり楽になるので助かる。
もちろん、インナーズームでコンパクトなサイズ感なので持ち運びが超しやすい、というのも気に入ったポイントです。
α7R IIIと同時に購入した『28-75mm F/2.8 Di III RXD』と並べるとこんな感じ。両者ともフィルター径67mmというコンパクトサイズでF2.8通しを実現した、αユーザーにとってはベストパートナーとも言えるレンズです。
多くの人が乗り換えようかな…と思っている「乗り換え元」であろう、ソニーから発売されているズームレンズ『Vario-Tessar T FE 16-35mm F4 ZA OSS(SEL1635Z)』と比較してみるとこのような感じ。
タムロンがF2.8通し、ソニーがF4通しにも関わらず、レンズの最大径はタムロンの方が細身。重量もタムロンの方がかなり軽く、値段も安いので、揺れてしまう or 買い替える気持ちはすごくわかる。
両者の主要なところを比較してみるとこんな感じです。
タムロン17-28mm | ソニー16-35mm | |
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焦点距離 | 17-28mm | 16-35mm |
開放絞り | F2.8 | F4 |
フィルター径 | 67mm | 72mm |
最大径×全長 | 73mm x 99mm | 78mm x 98.5mm(最大値) |
重量 | 420g | 518g |
ソニー『Vario-Tessar T FE 16-35mm F4』との作例を比較
ここまでは外観やカタログスペックを中心に紹介してきましたが、実際に気になるのは両者の描写の違いでしょう。購入した当日に両レンズを持って写真を撮ってきたので、以下比較作例をまとめていきます。
結論から言ってしまうと、個人的にはタムロンで全然良かった。
広角端での比較
タムロンで開放F2.8で撮るとこんな感じ。Lightroom Classic CCには現在のところ『17-28mm F/2.8 Di III RXD』のレンズ補正データが存在しないので、両レンズともに歪み補正はしてません。
F4に設定しタムロン・ソニー両者で撮影するとこんな感じ。ソニーのSEL1635Zの方が焦点距離が広角側に1mm広いので、右上のビルが見切れてないのが分かるかと思います。
F8にするとこんな感じです。正直Web上だと違いが難しいですね…。個人的にはタムロンの方が色味が好きだなと感じます。
東京駅近くのKITTEで歪み具合を比較するとこんな感じでした。タムロンの方が焦点距離が1mm狭いわりに歪んでいるような印象…。
東京国際フォーラムで比較してみるとこんな感じ。規則的な構図じゃない場合は歪みはそこまで気にならないかなあと思います。
望遠端での比較
続いて望遠端での比較。こちらはタムロンA046が28mmまでしか用意されていないので、ソニーSEL1635Zも28mmで撮影しています。
タムロンA046で開放F2.8で撮影。
タムロンA046・ソニーSEL1635ZでF4で撮影しました。正直Web上で見る限り、両者の違いはEXIFまでチェックしないと分からない…。
タムロン『17-28mm F/2.8 Di III RXD』の作例
ここまでは両者で撮った写真を比較しながら紹介しましたが、ここからはタムロン『17-28mm F/2.8 Di III RXD』で撮影した作例をいくつか載せていきます。
どの写真もLightroomで現像しているので、撮って出しではありません。こんな写りだよ〜という参考程度にどうぞ。個人的には標準域と広角域でメーカーが統一できたので、両者での色味の違いもなるべく少なくできるのでは…!と思っています。
こんな写真を撮っていて気が付いたんですが、僕はカメラ上級者でもなんでもないので焦点距離1mmの違いは特に気にならないんですよね。1mmくらいの差であれば、できる限りは自分で動いた方が良いと思っている派です。
で、自分が動くときに大事なのはやっぱり機動力。軽くて使いやすい組み合わせに収束していくのは当然の流れだといえるのではないでしょうか。
そういった意味で、今回ソニーのSEL1635Zから『17-28mm F/2.8 Di III RXD』に乗り換えたのは正解かなと感じています。
まとめ
こんな感じで、今回はソニー『Vario-Tessar T FE 16-35mm F4 ZA OSS(SEL1635Z)』からタムロンの『28-75mm F/2.8 Di III RXD』に乗り換えた!という報告と両者の比較、タムロンで撮った作例をまとめてみました。
すでに3週間ほど使っていますが、SEL1635Zより軽量になった分使いやすいし、F値が明るくなったので暗所でも踏ん張ってくれるので非常に満足しています。
唯一SEL1635Zと比較すると外観のチープさが目につきますが、先行してタムロン28-75mmを所持していた僕としてはむしろ外観が統一できたのでスッキリ。プラスティック外観のおかげで軽量化が実現できていると思えば納得もいくでしょう。
発売から4ヶ月たち、そろそろ品薄だった在庫も復活してきた頃。軽量で使いやすく、Eマウント用広角ズームレンズとしてはかなりオススメできる一品です。