2019年3月に『Google Pixel 3 XL』を購入して今月で丸1年。iPhoneをメインに使っている僕ですが、Pixel 3 XLは久々に「しっかりと使った」Androidの端末でもあります。
噂ではもうすぐ『Pixel 4a』シリーズが登場するといった話も聞きますが、1年間ある程度の時間Pixel 3 XLを使ってみたので、今回の記事では改めて
- Pixel 3 XLを購入した理由
- Pixel 3 XLのスペック
- Pixel 3 XLのカメラ作例
などに触れながら「iPhoneメインのユーザーがPixel 3 XLを使ってみたレビュー」をまとめていきたいと思います。
目次
Pixel 3 XLを購入した理由について
2019年3月のタイミングで僕が『PIxel 3 XL』を購入しよう!という決断をしたのは
- MNP一括0円で購入できたから
- 最新のAndroidを体験してみたかったから
という2つの理由から。それぞれ細かくチェックしていきましょう。
MNP一括0円で購入できたから
僕がこの端末を購入した2019年の春は、いわゆる「分離プラン」が本格的に施行される直前。指定プランへの加入を条件に端末価格を割引することが困難になってしまうこともあって、この時期は大手3社ともに熾烈な割引合戦が繰り広げられていました。
特にdocomoは2019年3月から「端末購入サポート」対象端末を大幅に拡大させていたのですが、その中でも注目だったのが『Google Pixel 3・Pixel 3 XL』の両端末です。
2018年秋モデルとして発売された両者はGoogleサービスを最速で利用できる高スペック端末で、これらがサポート対象になったことに驚いた人も多いはず。僕自身もハイエンド端末を安価で手に入れられるチャンスということで注目していました。
さらに追い風となったのが、端末購入サポートに加えて実施されていた家電量販店の独自施策。
- 特定の契約形態
- 特定の料金プラン
- 有料コンテンツ加入
という条件ながら、量販店の独自割引を加えた形で『Pixel 3』シリーズが一括0円(一括1円)で販売されるケースもよく見かけるようになったんです。最新機種が一括0円で購入できるには後にも先にもこの機会だけだろう…ということで、ソフトバンクから乗り換えて購入する決意をしました。
最新のAndroidを体験してみたかったから
もう一つ購入を決めた大きな理由としては、最新のAndroidを体験してみたかったからというのもあります。
僕自身『iPhone 4』以来スマートフォンはiPhoneをずっとメインに使ってきたこともあって、最後にしっかりと使ったAndroidスマートフォンは2011年の『Xperia arc』あたりが最後。
その当時のイメージではAndroidは「あんまり安定しないOS」という認識だったのですが、8年間iOSをメインに使っているうちにその印象も払拭。iOSよりも便利な機能が増えているなと感じ、これはもう一度しっかり試してみたいなと思ったのが動機です。
で、どうせAndroidを使うのであれば、メーカーによってカスタムが施されているスマートフォンではなく、カスタマイズや余計なアプリも少ない『Pixel 3』シリーズにしたほうが良いだろうと思い、今回『Pixel 3 XL』を購入した次第です。
Pixel 3 XLのスペックについて
高さ | 158mm |
---|---|
幅 | 76.6mm |
厚さ | 7.9mm |
重量 | 184g |
バッテリー | 3,430 mAh |
画面サイズ | 6.3インチ有機EL |
画面解像度 | 1440 x 2960px |
CPU | Qualcomm Snapdragon 845 |
RAM | 4GB |
リアカメラ | 1220万画素 F1.8 |
フロントカメラ1 | 800万画素 F2.2(広角) |
フロントカメラ2 | 800万画素 F1.8(標準) |
おサイフケータイ | 搭載 |
主なPixel 3 XLのスペックはこんな感じ。大型のディスプレイ(ノッチあり)が特徴的で、CPUもSnapdragon 845搭載と2018年のスマートフォンとしてはハイスペック。
参考までに、処理性能のベンチマークを示すアプリ「AnTuTu Benchmark」「Geekbench」の計測結果はこんな感じ。Snapdragon 845を搭載するスマホとしては平均的な数値でしょう。
簡単に言ってしまえば2020年現在でも十分に使えるスマートフォンだと言えます。
iPhoneとの使い分けについて
さて、Pixel 3 XLをIPhoneと併用して1年間使ってみた感想ですが、iPhone 11 Pro Max購入以前と購入以後によって大きく評価が分かれます。それぞれの期間で使ってみた感想を以下で詳しく紹介していきます。
購入後から半年間はどうしても使用機会に限りあり
Pixel 3 XL を購入した2019年3月からiPhone 11 Pro Maxを購入した2019年9月までの使い勝手について。
正直に言ってしまうとこの半年間はどうしても試用期間に限りがあり、あまりPixel 3 XLを使いこなせたとは言えませんでした。というのも、この時使っていた『iPhone XS』はPixel 3 XLよりもコンパクトで持ちやすく、カメラの性能も申し分なかったのでPixel 3 XLをあまり積極的に使う意義が見いだせなかったからです。
そもそもiPhone XSを購入したのは、スマホのサイズをダウンサイジングしたいというのが大きな動機の一つ。
そのため、メインスマホのサイズを小さくしたタイミングでそれよりもサイズの大きいスマートフォンをサブとして活用するというのが難しかったんです。
専用のアクセサリーである『Pixel Stand』を使ってみたりと、なんとかPixel 3 XLを使いこなせるような環境づくりをしてみたのですが、その努力も虚しくiPhoneをメインで使っていくというような状況は変わりませんでした。
よくよく考えてみるとこの時Pixel 3 XLで使っていた回線は通信速度が早いとは言えないMVNO回線だったので、その点でいうとまともに出先で使える環境ではなかったのかも。
ただしこの時点でも Pixel 3のカメラで利用できる夜景モードで撮れた写真の素晴らしさには目を見張るものがあったので、時折カメラ専用機として持ち歩くこともありました。
iPhone 11 Pro Max購入を機に使うようになった
大きく状況が変化したきっかけが2019年9月に『iPhone 11 Pro Max』を購入したこと。大きな画面で Lightroom を使った現像などを試してみたくなったことが理由で再び大画面スマホに戻ったのですが、メインスマホのサイズが Pixel 3 XL と同じになったことによって再び Pixel 3 XL を持ち歩くようになりました。
もう一つ Pixel 3 XLを持ち歩くようになった大きな要因が、iPhone 11シリーズのカメラ性能。iPhone 11シリーズには新たに「スマートHDR」という機能が搭載されているのですが、この機能の性能がとにかく悪いんです。
上はiPhone 11 Pro Maxで適当に撮影した写真なんですが、ホワイトバランスが完全に崩壊してしまい、極端に寒色系に寄った写りになっています。
どうやらスマートHDRはホワイトバランスの設定値がかなり極端になってしまっているようで、写真によっては極端に青い・黄色い仕上がりになってしまうようなんです。
カメラ性能の高さを売りにしているiPhone 11シリーズにあってこのホワイトバランス性能の悪さは信じられず、正直iPhoneのカメラで写真を撮りたくなくなるほど。
こうした経緯から、同じサイズでカメラの性能もiPhoneと比較すると段違いに良いPixel 3 XLを再び使うようになったというわけ。
ちなみに再び使うようになったタイミングに合わせて、サブ回線も比較的速度の速いUQ モバイルに変更。なるべく出先でも快適に使えるように環境を構築し直しました。
iPhoneユーザーがPixel 3 XLをじっくり使ってみた感想
こんな感じで本格的に使うようになったPixel 3 XLですが、実際にiPhoneユーザーである僕がじっくり使ってみた感想を以下に紹介していきます。
なお、Pixel 3 XL固有の機能だけでなくAndroid端末に搭載されている機能についても触れていますが、「iPhoneと比較して便利だと思った部分」もまとめているのでご容赦を。
カメラ性能は段違いに良い
すぐ上でも軽く紹介しましたがPixel 3 XLのカメラ性能はやはり現在流通しているスマートフォンと比較しても段違いに良く、やはりAIによる処理性能の高さ・再現度の高さを感じます。
夜景モードと称されている暗所での撮影モードの精度も非常に高く、 iPhoneでは撮れないような満天の星空や、IPhoneだと潰れてしまう夜景のビル群の光1つ1つもしっかりと再現できているなと思います。
2019年末には先行して『Pixel 4』シリーズに搭載されていた天体撮影モードも追加されました。長時間露光撮影と複数の写真撮影を合成することによって、従来スマートフォンでは撮影できなかったような天体写真が撮れるようになったので、2020年現在でもスマートフォンの中ではトップクラスのカメラ性能を誇っているのではないでしょうか。
指紋認証はやっぱり便利
iPhone X以降のiPhoneではFace IDセンサーによる顔認証が標準になっていますが、寝ている状態やマスク装着時にはロック解除ができず、都度パスワードを入力する必要があるのは正直不便。
一方Pixel 3 XLには指紋認証センサーが搭載されているのですが、やっぱり指を置くだけでスマホのロックを解除することができる指紋認証は魅力的だなと再実感しました。身体の状態や外的要因に左右されることが少ないのは指紋認証ならではのメリットです。
特に最近では新型コロナウイルスの影響もありマスクを装着した状態で外出する機会が多いので、マスクを外さずともロック解除できる指紋センサーの存在はやはり偉大。
ホーム画面のカスタマイズ性の高さはお気に入り
今までずっとiPhoneを利用してきて特に不便だなと思ったことはなかったのですが、Pixel 3 XLに触れて「ホーム画面のカスタマイズ性が高い」ことの良さを実感しました。
ブログでも紹介しているように、僕はiPhoneのホーム画面をシンプルにするために空白アイコンを設置したりしているのですが、こうした手間なしに自由な場所にアイコンが置けるのはめちゃくちゃ便利。
Pixel 3 XLは画面のサイズも大きくなかなか片手で操作することが難しいので画面の下の方にアプリのアイコンを集中して置けるのがありがたいですね。ちなみに僕はランチャーアプリは使わず 、Pixel 純正のホーム画面を使っています。
同時に複数の作業ができる画面分割が良い
これはPixel 3 XL固有の機能というよりもAndroidに搭載されている機能でしょうが、同時に複数のアプリを実行することができる「分割画面」という機能に驚きました。
上記は実際に複数のアプリを実行しているスクリーンショットですが、こんな感じで上画面と下画面で別々のアプリを起動することができます。例えば上半分でYouTubeを見ながら下半分でTwitterをする、なんてこともできるので実況やリアルタイムでのやりとりが捗ります。
この機能を知ってからというものの、入浴中にYouTubeとTwitterを同時に見るということも多くなり、風呂の時間もかなり快適になりました。
USB Type-Cでの充電
これもどちらかというと最近のAndroid 端末では当たり前になっていることですが、USB Type-Cケーブルでスマホを充電できるって最高ですね。
自宅ではiPhone・Pixelともにワイヤレス充電なので気にならない部分なのですが、外出時にUSB Type-CケーブルさえあればMacBook・スマホが充電できるのは持ち物も少なくなるので良いことずくし。
みんなが「iPhoneもUSB Type-C端子にしろ!」っていう理由がよくわかりました。Lightning to Type-Cケーブルはケーブルの総数が減らないから意味ないな!!
Pixel 3 XLで撮影した写真の作例
さて、カメラ性能の高さが売りのPixel 3 XLで実際に撮影した写真を掲載していきます。Pixel 3 XLに搭載されているレンズの画角はフルサイズ換算で28mm相当と少し広角気味です。
すべての写真を1600pxに縮小・圧縮していますのでその点ご容赦を。なお今回の作例ではLightroom等での編集はしていません。
日中の撮影
Pixel 3 XLに搭載されている背面カメラは1つと近年の2眼・3眼カメラと比較すると少し物足りない印象がありますが、「超解像ズーム」と呼ばれる複数枚の写真を合成する技術を搭載していることもあり、極端に倍率を上げない限り画質は気になりません。
こちらはズーム倍率をかなり上げて撮影した動物ですが、ここまでくると少し画質の粗さが気になるかも。それでもWeb上で閲覧するには必要十分な画質だと思います。
ポートレートモードで植物を撮影。ボケと被写体との境界線も違和感なく、いい感じに撮れています。
本来であれば結構黒つぶれしてしまいそうな構図と風景ですが、HDR+の効果が強力に効いているため全然「見れる」写真になっています。
食べ物も発色が良く美味しそうな感じで撮れています。iPhoneの場合こういったシチュエーションだと大抵赤色に引っ張られてしまい、ホワイトバランスが黄色寄りになってしまう…。
夕方・夜景
続いて夕方と夜景の作例。上の写真は少し黄色寄りに引っ張られてしまっている印象がありますが、HDR+のおかげで極端に色がおかしいという事態は避けられているかなと。
こちらは良く撮れたなと思う一枚。日が沈んだいわゆる「マジックアワー」での1枚ですが、黒つぶれもなくビルの細部もしっかり再現できているのではないでしょうか。
桜のイルミネーションですが、こちらも桜のディテールは潰れていません。
こちらは「夜景モード」を有効にして撮影した写真たち。肉眼で見ている風景と比較すると正直「明るすぎるな」と感じるのは否めませんが、スマートフォンのカメラでここまで明るく・それなりに鮮明に撮影できているのは驚き以外ありません。
最後に、夜見かけた星空を適当に撮影した1枚を。手持ち撮影でフォーカスを「遠景」に設定しシャッターボタンを押しただけなのですが、オリオン座やそのほかの星もくっきり見えています。
雨上がりで空気の綺麗だった夜とはいえ、東京23区で適当に撮影した写真にこれだけ星が映り込んでいるのは正直感動してしまいました。
まとめ: 「Androidでも良いな」と感じた傑作スマホ
こんな感じで、今回はiPhoneをメインに使っている僕が『Google Pixel 3 XL』を1年間使ってみたレビューをまとめてみました。
使い込んでみた感想としては、カメラはiPhoneと比較してもはるかに優秀(主にチューンアップが)。2020年現在でもトップクラスの性能を誇っているほか、アップデートによって『Pixel 4』に搭載されている機能の一部も移植されているため、ハード・ソフト両面でも申し分ない使い勝手が確保されていると感じました。
またiOSと比較すると一般的な使用場面に置ける自由度が高いのも気に入りました。もちろん「自由度が高すぎてかえって危険」になってしまうのは問題ですが、普段iOSを使っていて「不便だな…」と感じる部分が快適に操作できたり、iOSで出来ないことの多くが実現できているのはかなり魅力的。
もちろんAirDropなどiOS固有の機能も魅力ではありますし、使い慣れていることが多い・もしくは初めてでも使いやすい設計になっているのがiOSの良さではありますが、かゆいところに手が届く使い勝手のよさと、それをスムーズに体験できるPixel 3 XLは「もしかしてAndroidでもいいかも?」と思わせてくれる1台でした。
現在国内で入手できるGoogle Pixelシリーズは、今回紹介した『Google Pixel 3 XL』のほかに『Pixel 3a』『Pixel 4・4 XL』の4機種。
最新の『Pixel 4・4 XL』はSoftBankもしくはGoogle Storeのみで購入できますが、『Pixel 3a』『Pixel 3 XL』はdocomoでも購入可能です。
またすでに終売している『Pixel 3』は中古(未使用品も含む)相場が3万円からと比較的入手しやすく、下手なエントリーモデルのスマホを買うよりも性能的にはお買い得です。
すでに発売から1年半が経過し、一般的には「型落ち」と呼ばれても良い年月が経っていますが、スペック・使い勝手は2020年現在のハイエンド機にも肉薄する端末。新年度を迎えるにあたって安価なスマホを探しているのであれば、中古での購入も含めて十分検討できる1台ですよ。