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「自然な写真」が撮りたいなら間違いない、Pixel 7aのカメラ性能をレビュー。

Googleの最新スマートフォン『Pixel 7a』が発売されて約2週間。僕自身も発売日に購入してガッツリ使っていますが、これまで使ってきたAndroidスマートフォンの中でも手に馴染む感覚が強くてすでにお気に入りの仲間入りも果たしています。

周りの評判を聞いたり、このブログ経由で売れているPixel 7a関連のアクセサリーの数を見ても圧倒的に「売れている」「売れていそう」な感じで、まだ買っていない人でも購入を検討している人は多いのではないでしょうか。

より実生活に落とし込んだレビューはまた追って書く予定ですが、今回の記事ではPixelシリーズの持ち味でもある「カメラ」「写真」に絞り込んだレビューをまとめてみました。

「自然」な写真が「簡単」に撮れるPixel 7aのカメラ

過去に執筆したPixelシリーズのレビューでも書いていますが、Pixelシリーズに搭載されているカメラの最大の特徴は自然な写真が簡単に撮れるところだと個人的には感じています。

「自然な写真」というのは、シャッターを押して生成される写真のHDR加工・チューニングが派手すぎるわけでもなく、かといって一昔前のスマートフォンのように暗所が潰れすぎているわけでもない、ちょうどよい塩梅の写真のこと。

最近のスマートフォン、特にGalaxyシリーズやiPhoneはソフトウェアによる画像処理が強力に働いていて、良く言えばSNS映えしそう・悪く言えば不自然な写真が生成されるようになっています。撮影する空間の雰囲気なども全て無視して「ソフトウェア的に高得点の写真」になるので、雰囲気のある写真を求める人にとっては今のカメラアプリは正直微妙なんですよね…。

その点Pixelシリーズは、初期からカメラ処理の多くの部分をソフトウェアに依存していることもあってかチューニングが非常に優秀で、撮って出しのクオリティはGalaxyやiPhoneを凌ぐといって良いレベル。

これまで何度もPixelシリーズを使用しているので撮れる写真の傾向は理解していましたが、Pixel 7aを使う中で改めて「そうそう、これだよ」という気持ちになりました。

参考までに、Pixel 7aの基本的なカメラスペックはこんな感じ。

広角6,400万画素・換算25mm・F1.8
超広角1,300万画素・換算14mm・F2.2
ズーム倍率超解像ズーム 最大8倍
インカメラ1,300万画素・F2.2

スペックの細かい部分について触れたところで「どんな写真が撮れるのか」が大事なので、ここからはいくつかシチュエーション別に作例を見ていただきましょう。

注釈のない全ての写真はPixel 7a純正のカメラアプリでJPEGオートモードで撮影しています。それぞれの写真はタップ・クリックすることでEXIF情報を確認したり、フルサイズでの表示も可能です。

2倍デジタルズームで撮影

今回からメインカメラの画素数が1,220万画素から6,400万画素にアップグレードされていて、2倍ズームは中央の1,200万画素を使うクロップズーム式になりました。

その甲斐あってか、ズーム時の画質もPixel 6a以前と比べるとかなり改善されています。

超広角カメラで撮影

青空の自然なグラデーションもPixelシリーズならでは。

蛍光灯の室内で撮ったラーメン。うっかりするとホワイトバランスが崩壊してしまいそうな場面ですが、なんとか保っている感。

暗い室内・暗所での光量についてはやや調整不足かな…?と思いますが、自分の目で見た景色に近い写真が撮れる点では全く問題なさそうです。

夜景

続いては夜景シーンでの撮影。いくつか夜景モードで撮影した写真も含まれています。

少し光量落ちが気になりますが、Pixel 7aで撮影した写真で今のところ一番気に入っているのがこちら。後ろの提灯が徐々にボケていたり提灯1つ1つのシワがしっかり残っているところなんかは、6万円台前半のスマートフォンに搭載されているカメラとは思えないですよね。

夜景モードで撮影

夜景モードを使った1枚。iPhoneのように黄色みがかるわけではなくて、ホワイトバランスを保ちつつ程よいHDR処理がされています。

さすがに暗所なので細かい部分の潰れはありますけど、SNSやブログ投稿で使用するには十分すぎる画質だと感じますね。

夜景モードで撮影

遠景だと潰れてしまうディテールも、ある程度大きな被写体をターゲットに撮影する場合はかなり再現されるなという印象を受けました。

これまでのPixelシリーズでも経験していたことですが、やっぱりセンサー・ソフトウェア両面で改善されている面が大きそうです。

ズームは8倍まで使うと粗さが目立つかも

メインカメラの画素数がアップグレードされたことで、ズームの倍率もPixel 6aの7倍から8倍へアップし、ズーム時の画質も全体的に改善されました。

先ほど少し触れたように、メインカメラでの2倍ズームに関しては6,400万画素から1,200万画素をクリップするようになったので、Pixel 6aなど望遠カメラを搭載していなかった機種と比べて画質は格段に良くなりました。

「画質は格段に良くなりました」とは言いますが、さすがに8倍ズームとまでなると粗さが目立ちます。超解像ズーム機能でソフトウェア補正が施されているとはいえ、油絵のようなのっぺりとした仕上がりになってしまうな~という印象がありました。

ざっくり1週間くらい使った感触としては

  • 0.5倍~3倍: 十分よく映る
  • 3倍~5倍: SNS用ならギリギリよく映る
  • 5倍~8倍: 記録用としてならあり

といった感じでした。

消しゴムマジックは確かに優秀!使いどころも色々ありそう

ここ1~2年でPixelシリーズのシェアを伸ばしている大きな要因は、間違いなく「消しゴムマジック」でしょう。

言ってしまえばPhotoshopやLightroomに搭載されている被写体除去機能なんですが、CMで「消しゴムマジックで消してやるのさ!」というセリフが繰り返し流れていることもあって、中高生の間では「消しゴムマジックが使える端末」という認識が広がっているとも聞きます。

使い方はとっても簡単で、「フォト」アプリで編集→ツール→消しゴムマジックと選択すると、AIが自動で消去できる項目をいくつかハイライトしてくれます。あとはその中から選んで「消去」を押せば、ターゲットを消去したうえで「いい感じ」に跡を修正してくれるわけ。

実際に映り込んでしまった人(1枚目左下)を削除してみました(2枚目)。拡大して見てしまうと電柱の根本が変だな…となってしまいますが、パッと見は修正済み写真だとは思わないレベル。

もちろん今回のように人を消去するだけでなく、電柱・電線やテーブルフォトに映り込んだゴミといった細かいモノの消去にも使えます。人のように割と大きな対象でもここまで上手に処理してくれるのであればほとんどの写真は自然な仕上がりになるんじゃないかな…。

RAW撮影はオプション。現像はハイライトの持ち上がりに注意

RAW撮影は設定から有効にできるオプション扱い

最近のスマートフォンと同じようにPixel 7aでもRAW撮影ができるようになっていますが、デフォルトでは無効になっていて設定から有効化する必要があります。何度か書いているように自然な写真が簡単に撮れるところが特徴なので、基本的にRAW撮影する必要性がない…というのがGoogleのスタンスなんでしょうね。

RAWファイルをそのまま書き出した写真

RAWで保存されたファイルをそのまま書き出すとこんな感じ。全体的に暗めに保存されているので、現像する場合はハイライトが飛ばないように意識しつつ暗い部分を持ち上げると良さそうです。

RAWファイルをもとにサクッと現像してみました。

今回の作例のように明暗がくっきり分かれるような写真の場合、うっかり露出度を上げるとハイライト部がすぐに白飛びしてしまうので、うまくパラメーターを調節しながらでないと納得いく仕上がりにはならないかも。

正直ここまでの手間をかけるならJPEGオート撮影で十分だなと感じましたね…。

注意: ズーム倍率と使用するカメラが合わない場合がある

使いやすい・よく映るポイントの多いPixel 7aですが、ソフトウェアの問題からか「ズーム倍率にあった適切なカメラが選ばれない」ことがよくありました。

カメラスペックの部分でも紹介した通り、Pixel 7aは

  • 1,300万画素・フルサイズ換算14mm・F2.2の超広角カメラ
  • 6,400万画素・フルサイズ換算25mm・F1.9の広角カメラ

の2カメラ構成で、1倍以上のズームの場合は6,400万画素の広角カメラが使われる仕様になっている「はず」なんです。

1x(広角)なのに超広角カメラからクロップされて撮影されている

が、タイミングによっては超広角カメラとそこからクロップした写真が撮影されてしまい、1倍ズームなのに何故か画質が悪いという状態になってしまいます。

カメラアプリのUIで0.5x→1xと切り替えるタイミングと実際のカメラが切り替わるタイミングがズレていることが原因なのでしょうけど、せっかく強いカメラが載っているのにフル活用できない可能性があるのはちょっとモヤモヤ…。

価格に見合わぬ高性能と、写りの「ちょうど良さ」が両立した1台

2週間ほどPixel 7aのカメラを使い込みましたが、これまでPixelシリーズを何台も使ってきた僕としては「あの使い勝手の良さはそのままに性能が上がって最高!」という感想を持ちました。

ここ2~3年は特にソフトウェア処理によるカメラ・写真の改善がもてはやされていますが、やっぱりPixelのあくまでも「自然さ」を第一に捉えた仕上げは他のスマートフォンにはないもので、大きな魅力の1つ。

特にPixel 7aに関しては搭載されているカメラがアップグレードされたこともあり、そこから生まれてくる写真のクオリティを考えると6万円台のスマートフォンとはとても思えないレベル。

Pixel 7aが僕たちのライフスタイルに与えるテクノロジーの恩恵を考えると、コストパフォーマンスは2023年トップクラスなんじゃないかと冗談抜きで感じました。

そんな「Pixel 7aが僕たちのライフスタイルに与えるテクノロジー」などを詳しく考察するレビューは追って執筆・公開予定。本当に良いスマートフォンで書きたいこともたくさんある上、より実生活に落とし込んだレビューをお届けしたいので、首を長くしてお待ちいただければと。

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