ハタチの若者2人が訪れた出雲での様子を綴る連載「ハタチと旅と出雲」より。前回は商業復興が進む玉造温泉にある高級温泉旅館、星野リゾート界 出雲に宿泊した様子を紹介しました。
実質的な最終日となるこの日は、午前中に玉造温泉で行きそびれたところを訪問したのち、出雲市・出雲大社方面へと向かうスケジュール。
玉造温泉の観光スポットなどについては前回の記事を読んでもらうとして、さっそく出雲市方面へと向かうことにしましょう。
「ハタチと旅と出雲」は松江観光協会 玉造温泉支部とのタイアップ企画です。
玉造温泉から1時間。神在る場所、出雲大社へ
玉造温泉から出雲市・出雲大社方面へと向かうには、大きく
- 山陰本線と一畑電車
- タクシー
の2つの方法があります。玉造温泉の温泉地から駅へと向かうタクシーで執拗に「出雲市までタクシー出すよ!」と言われたのですが、コスト的には断然電車を乗り継いだ方がお得です。
東京から観光で来ていると、ついついSuicaで電車に乗れると思ってしまいがちですが、今回の乗車エリアは電子マネー非対応エリアなので現金を用意しておきましょう。
出雲市駅から30分、一畑電車で「出雲大社前駅」へ
サンライズ出雲などの特急列車も停車する出雲市駅で下車し、ここからはローカル鉄道の一畑電車へと乗り換え。
つい最近まで旧型の車両が多く走っていた、これぞローカル鉄道と言わんばかりの路線です。
ほぼ全線にわたって単線で整備されているので、途中駅で反対側から来た電車とすれ違いながら進んでいきます。
およそ30分で出雲大社への最寄駅である出雲大社駅へ到着。こんな感じで雰囲気のある車止めだったり、番線表もあります。東京だと中々見られない風景でとっても良い…。
前身となる会社と合わせると100年以上の歴史がある一畑電車。出雲大社前駅のホームには、かつて使われていた車両が展示用に開放されています。
2010年に中井貴一さんが主演で公開された映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』の舞台に選ばれているため、車両の中にはRAILWAYS撮影ロケの風景や当時の宣伝パンフレット、メッセージなどが設置されていました。
さすがにこの車両を運転こそできないようにはなっているものの、運転席に立ち入ったり実際に座ってみることができるようになっています。
ちなみに今回は体験しませんでしたが、一畑鉄道ではかつて使われていた車両を実際に運転することができるプログラムも提供されています。
こちらは事前に申しこみが必要となっているので、「出雲に行ったタイミングでぜひ体験したい!」という人は早めに予約しておくと良さそうです。
大国主神を祀る出雲大社へ
出雲大社駅を出て左手を見ると、宇迦橋の大鳥居を眺めることが出来ます。
ここを訪れた当初は全く出雲大社に関する土地勘もなかったので「鳥居の方に進めばいいのか!」なんて思っていたのですが、宇迦橋の大鳥居とは逆の方向に進むのが正解なので注意しておきましょう。
そうそう、出雲大社に向かう道中にはシンガーソングライターの竹内まりやさんの生家であり現在はオーナーを務める竹野屋旅館があります。
一泊あたりのお値段も(星野リゾートと比較すると)安価だし、なにより出雲大社のほぼ目の前という好立地なので、主に出雲大社を中心として出雲観光をしたい人にはおすすめの旅館です。
僕も次回出雲を訪れる時にはぜひ泊まりたいところです。
出雲大社の正面玄関とも言える勢溜(せいだまり)の大鳥居前には、現地のソウルフードやお土産が購入できる小さな商店街も。
出雲大社の周りには着物がレンタルできるお店が多数あるようで、上の写真のように着物で観光している方も見受けられました。着物っていいよなあ…。
出雲大社の正面玄関、勢溜の大鳥居。訪れたこの日は平日の昼間、しかも雨天ということもあって観光客の数は少なかったけど、催し物が行われる日や休日はかなり混みそう。
あいにくの雨模様ではあったのですが、色味も良い傘を差した浴衣の女性が多く見られて、これはこれで大変に風情がありました。
さて、いよいよ拝殿へと向かいます。参拝の前にはもちろん手水舎で手と口を清めて。
1666(寛文6)年に寄進されたという、これ自体が国の重要文化財にも認定されている銅鳥居をくぐって拝殿・八足門へと向かいます。この鳥居もれっきとした神様の通り道なので一礼を忘れずに。
本殿に最も近づくことが出来るがこの八足門。ここから本殿に向かってお参りをするのが通例で、その他お正月の五カ日は特別に八足門が解放され、その先にある楼門前まで向かうことが出来るそう。
神社の参拝のやり方としては「二礼二拍手一礼」が基本的なものですが、出雲大社で参拝をするときは「二礼四拍手一礼」がルール。境内の色々なところに注意喚起の張り紙があったので、間違えないように参拝しましょう。
参拝を終えて勢溜の大鳥居に戻る途中に見つけた梅の花。もうほとんどの蕾が開いていて、いよいよ春だなあなんて思いを馳せました。
出雲大社前の商店街でお土産を買ったりしていたらそろそろ出雲市方面へと戻る時間。境内に入るときにすれ違った2人組の着物女性を認めながら、一畑電車の駅に向かいます。
ここまで5回にわたって書いてきた連載「ハタチと旅と出雲」も、次回が最終回。
次回は出雲から帰京するときに乗車した、現在定期運用している中で最後の寝台特急「サンライズ出雲」に乗車した記録や、実際にチケットを入手するまでの手順なんかを紹介していこうと思います。
「ハタチと旅と出雲」は松江観光協会 玉造温泉支部とのタイアップ企画です。