もう50mmは買わない!
普段α7R IIIにはTAMRONの標準ズームレンズ『28-75mm F2.8 A036』を付けているのですが、オールドレンズで単焦点レンズの楽しさに目覚めてしまい、使用頻度の多い50mm近辺の単焦点を探していました。
50mmあたりだと色々なレンズが登場していて選択肢も多いのですが、AF・MFのレンズからあれこれ悩んだ結果、オールドレンズの銘玉『CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ』を購入しました。
購入してから半月経って作例も溜まってきたので、ここで一度『CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ』のレビューと作例紹介をしていこうと思います。
↓ソニーから発売されている現行モデルのPlanar。値段もサイズも段違い。
目次
『CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ』について
今回購入した『CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ』は、焦点距離50mmと標準域の単焦点レンズ。
いわゆる「ヤシコン(ヤシカ・コンタックス)期」に製造されていたカールツァイス製のレンズで、『CONTAX RX』『CONTAX Aria』などのフィルム一眼レフにも標準レンズとして同梱されていたことや写りの良さから「標準レンズの帝王」とも呼ばれています。
マウント | ヤシカ/コンタックス |
---|---|
レンズ構成 | 6群7枚 |
絞り枚数 | 6枚 |
最短撮影距離 | 0.45m |
全長×最大径 | 41×62.5mm |
フィルター径 | 55mm |
重量 | 275g |
今回購入したのは、Planarでも初期に当たる「AEJ」というタイプ。ヤシコンのPlanarには「AEJ」「MMJ」の2つのタイプがあって、MMJはAEJでの課題などを改良しプログラムAEやシャッター速度優先AEに対応した後期のタイプ。
最も顕著な違いが絞り羽の形状。前期AEJタイプのレンズは上記写真のように1段〜2段目の絞り形状がギザギザしていて、この形状から生まれるボケは「手裏剣ボケ」とも呼ばれています。
単純な製品の出来としては「MMJ」タイプの方が優れていますが、F4で円形ボケになることやプログラムAE対応などは必要ないことを考え、それならと比較的安いAEJを購入したというわけです。
Planar 50mm F1.4は数が多い分当たり外れも激しいと聞いたので、新宿にあるコンタックス専門店・極楽堂で購入。比較的状態が良いものを選んで、値段は4万円ほどでした。
マウントアダプターを使って『α7R III』に装着
『CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ』は「コンタックス・ヤシカマウント」という当時のマウントを採用しているので、当然このままでは僕の持っているα7R IIIには装着できません。
僕がレンズを購入したお店にはヘリコイド付きのマウントアダプターや通常のアダプターも売られていたのですが、今回はライカMマウントレンズをオートフォーカス化できる『LM-EA7』という電子接点付きマウントアダプターを使うことにしました。
『CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ』をLM-EA7に装着するには、一度ライカMマウントへのマウントアダプターを装着する必要がありますが、マニュアルフォーカスのレンズがAFで使える(瞳AFもバッチリ!)のは非常に魅力的です。『LM-EA7』については個別にレビュー記事も書いているので、こちらも参考にしてください。
またLM-EA7購入まで使っていたK&F Conceptのマウントアダプターはこちら。AFは要らない!という人はこのアダプターで十分です。作りもしっかりしていて安心感もばっちり。
[wpap type=”detail” id=”B00YBGTU50″ title=”K&F Concept® マウントアダプター C/Y-NEX コンタックスヤシカC/Yマウントレンズ- SONY (α NEX) Eマウントカメラ装着用レンズアダプター eマウントアダプター” search=”K&F Concept® マウントアダプター C/Y-NEX コンタックスヤシカC/Yマウントレンズ”]
撮って出しで見る『Planar 50mm F1.4 AEJ』
初めてPlanar 50mm F1.4を装着して撮影した写真。もともとソニーの写真は色乗りが良くて個人的に好みだったのですが、Planar 50mm F1.4はさらに色乗りが加わっているような印象があります。
よく言えば「こってり」、悪く言えば「色がうるさい」という感じですが、個人的にはすごく好きな色。
赤と緑の色がくっきり出ていて本当に好きです。
ただこの色乗りはどんな状況でも起きうるわけではなくて、上記写真のように曇天下だと淡い仕上がりになる印象。
ここら辺はAWBの兼ね合いも影響していそうで、場面によって写りが変わるのはクラシックレンズのそれを感じます。
ホワイトバランスを調整するとこんな感じです。
現像後で見る『Planar 50mm F1.4 AEJ』
色乗りがしっかりしている分Lightroom Classic CCでの現像がしやすいのもPlanar 50mm F1.4の特徴かもしれません。キレ味がしっかりしているのはさすが「標準レンズの帝王」。
露光量だけ調節しているのですが、やっぱり状況によって色味はだいぶ淡いものになります。シャドウの粘りが良い。
こういう雰囲気なら淡い色味になっても許せる。
F4まで絞るとかなり解像感も増してきます。色もしっかり載っているので、なんだかフジ機で撮れそうな写真。
この日は全てPlanar 50mm F1.4で撮影していたのですが、コントラストも色乗りも良くて撮るのがとっても楽しかった…。
まとめ
こんな感じで、ここ最近は『CONTAX Planar 50mm F1.4 AEJ』ばかり使って写真を撮っています。
さすがに機動力や写りの綺麗さではTAMRONのレンズには敵いませんが、ちょっとした外出の時につけるレンズとして考えれば、使っていて・撮っていて楽しい最高のレンズです。
開放で撮ってよし、絞って撮ってよし。標準域の単焦点レンズを探している人なら「MFで古いし…」と敬遠せずに、ぜひ試してみてほしいレンズです。