MacBookへの採用を皮切りにスマホ・ヘッドホン・イヤホンなど色々な端末に採用されるようになったUSB Type-C(USB-C)。
- 端子がリバーシブルで向きを気にしなくて済む
- 両端がUSB Type-Cならケーブルの端も気にしなくて済む
- USB Type-C対応機器を揃えればケーブルが1本で済む
とか色々メリットがありますが、ともすると「100Wで充電できるはずなのに60Wしか出力されてない」「PCと繋いだら転送速度が遅い」という事態に遭遇することがあります。
具体例を出すと、87W出力が必要な15インチMacBook Proに60W出力対応のケーブルを使ってしまうと「充電してるはずなのに残量が減っている」こともありますし、大容量ファイルの転送に『USB Type-C 2.0ケーブル』を使っていると時間がかかって仕方ありません。
僕自身そこまで詳しいわけではないので、上記のような事態を避けるためにもUSB Type-Cケーブルは「とりあえず一番いいやつ」を選ぶようにしています。
そこでこの記事では
- Type-C採用機器が充電できればいい人
- Type-Cケーブルを高速データ転送にも使いたい人
- 「よく分かんない!一番いいやつをくれ!」な人
の各タイプの人におすすめなUSB Type-Cケーブルを、軽い前提知識を書いた上で僕なりに紹介していこうかなと思います。
目次
「USB Type-C」は端子の名前
そもそもの話ですが「USB Type-C」というのは規格の名称ではなく、端子の名称です。上記写真のような端子のことを「USB Type-C」端子と呼びます。
一方、よく見るこの端子は「USB Type-A」端子です。Type-A端子よりも小さく取り回しやすくなったのがType-C端子、という認識。
USB Type-C端子の特徴は大きく
- USB Power Deliveryに対応できる
- USB Alternative Modeに対応できる
の2点。
USB Power Deliveryに対応することで最大100Wまでの電力供給が可能になっているほか、USB Alternative Modeに対応することでUSB Type-C端子からDisplayPortやThunderboltへも対応させることが可能となっています。
ただし「対応できる」のであって、製品によって対応可否は異なるので注意が必要です。
USB PD・Alternative Modeの具体例としては、30Wまでの電力供給・4K出力に対応した『MacBook』などが有名。
「USB Type-C」でもUSB 2.0規格はある
上で書いたように「USB Type-C」というのはあくまでも端子の名称なので、こことは別に世代による転送速度・規格の差が出てきます。現在市場に出ているUSB Type-Cケーブルを分けると
- USB Type-C 2.0(転送速度は最大450Mbps)
- USB Type-C 3.1 Gen1 (転送速度は最大5Gbps)
- USB Type-C 3.1 Gen2 (転送速度は最大10Gbps)
の3つで、それぞれ転送速度が違うのが分かると思います。転送速度が遅いとファイルの転送に時間がかかり、長時間PC・デバイスを放置しなければならない…なんてこともあるので、転送速度は早いに越したことはありません。
USB PD対応機器を充電する場合は「USB PD対応」かどうかを見れば良いのですが、このケーブルで大容量のデータ転送も行う場合「USB 3.1対応か」も確認する必要があります。
USB Type-C = Thunderbolt 3ではない
パソコンに「USB Type-C」端子があるからといって、その端子が「Thunderbolt 3」に対応しているとは限りません。
Thunderbolt 3端子はUSB Type-C端子と形は同じですが、Type-C端子のUSB Alternative Modeを利用してThunderbolt 3を有効化しています。そのためType-Cケーブル・Type-C端子のそれぞれがThunderbolt 3対応でないと使えません。
ただし接続するデバイス(PC・Mac)にThunderbolt 3端子がある場合、この端子はUSB 3.1 Gen 2にも対応しています。
上記の写真はThunderbolt 3端子を搭載するMacBook Proの仕様ページのスクリーンショットですが、写真の通り「USB 3.1 Gen 2」にも対応しています。
困った時におすすめなType-Cケーブルと充電器の組み合わせ
ここまで簡単に
- USB Type-Cってなんだ?
- Thunderbolt 3端子とは何が違うんだ?
なんてところをまとめてきましたが、ここからは「USB Type-C採用機器を充電したいけど、どの組み合わせが良いか分からない」という人向けに、簡単な選び方ガイドを用意しました。
Type-C採用機器が充電できればいい人
USB 2.0規格で20V / 5A出力に対応したUSB Type-Cケーブルを買いましょう。エレコムから発売されている『U2C-CC5PNBKシリーズ』がオススメです。
長さは0.5m〜4mまで展開されていて実売価格は1000円前後より。USBケーブルとしての転送速度は最大480MbpsですがUSB PD出力は最大100Wなので、デバイスを充電するには十分です。
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充電器はAnkerの『Anker PowerPort III mini』もしくは『Anker PowerPort Atom I』がオススメです。どちらも最大30WまでのUSB PDに対応したUSB Type-C端子が搭載されています。
ケーブルの出力(最大100W)に対して充電器の出力が低いですが「最大30Wじゃ不安だ」という人はこれより下のパートで紹介している充電器を検討してみてください。
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[wpap type=”detail” id=”B07DHQKQPL” title=”Anker PowerPort Atom PD 1(PD対応 30W USB-C急速充電器)” search=”Anker PowerPort Atom PD 1(PD対応 30W USB-C急速充電器)”]
Lightning端子のiPhoneを充電したい人
これは厳密にいうとUSB Type-C搭載デバイスの充電ではないのですが…Lightning端子を搭載した一部のiPhone・iPadでも、USB Power Deliveryを利用した高速充電に対応しています。対応デバイスは以下の通り。
- iPhone 8
- iPhone 8 Plus
- iPhone X
- iPhone XS
- iPhone XS Max
- iPhone XR
- iPad mini(第5世代)
- iPad Air(第3世代)
- 10.5インチ iPad Pro
このほかUSB Type-C端子を採用した11インチ・12.9インチiPad ProもUSB PDを介した高速充電に対応しています。
さて、上記のデバイスを持っている人で「高速充電したい!」と考えている人はAnkerから発売されている『Anker PowerLine II USB-C & ライトニングケーブル』がオススメです。
長さは0.9mと1.8mの2種類が用意されていて用途によって選べる他、Apple公式の「Made For iPhone」認証を取得しているので品質も安全です。
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充電器はAnkerの『Anker PowerPort III mini』もしくは『Anker PowerPort Atom I』がオススメです。どちらも最大30WまでのUSB PDに対応したUSB Type-C端子が搭載されています。
ケーブルの出力(最大100W)に対して充電器の出力が低いですが「最大30Wじゃ不安だ」という人はこれより下のパートで紹介している充電器を検討してみてください。
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ケーブルを高速データ転送にも使いたい人
これはスマホの充電以外にも、PCとSSD間でのデータ転送だったり、PCとスマホ間でのデータ転送をしたい人向け。
こんな人はUSB 3.1 Gen 2と20V / 5A出力に対応したUSB Type-Cケーブルを買いましょう。エレコムから発売されている『USB3-CC5PNBKシリーズ』がオススメです。
長さは0.5mと1mの2種類展開。USB 3.1 Gen 2を採用したことで理論上の転送速度が10Gbpsと高速なほか、USB PD出力も最大100Wに対応しているので、MacBook Proユーザーの方はこれを購入すれば充電・データ転送はバッチリ。
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そして充電器にはAnkerの『Anker PowerPort Atom III 60W』もしくはRAVPowerの『RP-PC112』がオススメ。
どちらもGaN(窒化ガリウム)を採用したことでサイズが超コンパクト。最大60WまでのUSB PDに対応したUSB Type-C端子が搭載されています。
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[wpap type=”detail” id=”B07TGKQV2X” title=”RAVPower 61W USB-C 急速充電器 RP-PC112″ search=”RAVPower 61W USB-C 急速充電器 RP-PC112″]
「よく分かんない!一番いいやつをくれ!」な人
一番最後はスマホのほかにノートパソコンなどを使っていて「USB Type-Cは分からないし、分かりたくもない。お金はあるから一番いいやつが欲しい」という人向け。
こんな人はUSB 3.1 Gen 2との互換性もあり転送速度は最大40Gbps、USB PDも最大100W出力まで対応しているThunderbolt 3ケーブルを選びましょう。
Thunderbolt 3ケーブルにも様々な長さがありますが、個人的には
- 長さ50cm以内
- パッシブタイプ(映像出力に対応しているタイプ)
を選ぶのが吉です。長さが50cmを超えるケーブルはThunderbolt 3使用時の転送速度が最大20Gbpsに低下するほか、映像出力に非対応のアクティブタイプはUSB 2.0の転送速度(最大480Mbps)にしか対応していません。
もしPCに拡張機器をつないで利用することがあり得る場合、長さ50cm以内・Ankerから発売されている『USB-C & USB-C Thunderbolt 3 ケーブル』がオススメです。長さ50cm・パッシブタイプの2つを満たしています。
[wpap type=”detail” id=”B076D76DRQ” title=”Anker USB-C & USB-C Thunderbolt 3 ケーブル (50cm)” search=”Anker USB-C & USB-C Thunderbolt 3 ケーブル (50cm)”]
また「これを機にPCの端子類を拡張したい」と考えている人は、CalDigitから発売されているThunderbolt 3ドック『TS3 Plus』がおすすめです。
最大85WまでのUSB PD出力に対応しているほか、USB Type-A / Type-C・SDカードスロット・LANポートなど多くの端子をThunderbolt 3ケーブル1本で利用可能になります。
付属しているThunderbolt 3ケーブルこそ長さ70cmで転送速度が最大20Gbpsに低下してしまいますが、一般的な作業の場合は20Gbpsでも十分事足りるのが現実。僕自身もデスク環境の拡張に愛用しています。
[wpap type=”detail” id=”B07GWDK66G” title=”CalDigit TS3 Plus Thunderbolt 3 ドッキングステーション(スペースグレイ・0.7mケーブル付き)” search=”CalDigit TS3 Plus”]
この製品に関してはレビューも書いているので、よかったらどうぞ。
そして充電器にはAnkerの『Anker PowerPort Atom III 60W』もしくはRAVPowerの『RP-PC112』がオススメ。
どちらもGaN(窒化ガリウム)を採用したことでサイズが超コンパクト。最大60WまでのUSB PDに対応したUSB Type-C端子が搭載されています。
[wpap type=”detail” id=”B07RRWDTJB” title=”Anker PowerPort Atom III 60W(PD対応 60W USB-C 急速充電器)” search=”Anker PowerPort Atom III 60W(PD対応 60W USB-C 急速充電器)”]
[wpap type=”detail” id=”B07TGKQV2X” title=”RAVPower 61W USB-C 急速充電器 RP-PC112″ search=”RAVPower 61W USB-C 急速充電器 RP-PC112″]
後者の製品についてはレビューも書いています。
まとめ
こんな感じで、今回は「USB Type-Cケーブルがよく分からない!」という人向けにおすすめのケーブル・充電器の組み合わせを紹介しました。
ざっくりまとめてしまうと
- USB Type-Cケーブルはエレコムのモノを選べば安心
- Thunderbolt 3ケーブルはAnkerのモノを選べば安心
- USB充電器は充電したいデバイスによって選べば安心
という感じ。僕は面倒なのでUSB Type-Cケーブルはエレコム製のモノで統一しています。
「とりあえず一番いいやつ」を買っておけば余計なトラブルに遭遇することも少なくなるので、ケーブル・充電器に悩んでいる人はぜひ参考にしてください。