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Carl ZeissのEマウント向けレンズ『Batis 2.8/135』レビュー。開放から良く写る最高級の望遠単焦点レンズ

フジフイルム用の『XF90mm f2』というレンズを使って以来、135mm付近の画角で写真を撮るのが楽しくなりました。

こうなると、メインのソニーでも135mm付近のレンズが使いたい!という気持ちになってしまい、いろいろ検討した結果、Carl Zeissから発売されているEマウント向けのレンズ『Batis 2.8/135』を購入してしまいました。

開放F値は2.8と競合製品に比べると少し暗め、かつ高価なレンズですが、コンパクトなレンズボディに手ブレ補正搭載と非常に使い勝手の良いレンズです。今回の記事では、Batis 2.8/135を選んだ理由や実際の作例などを紹介していきます。

『Batis 2.8/135』の外観やスペック

こちらが今回紹介する『Batis 2.8/135』

レンズ名に冠されている通り、焦点距離は135mm(35mm換算)と望遠単焦点レンズに当たるのですが、重量は614gと同じ焦点距離のレンズと比較すると非常に軽量に仕上がっています。

『Batis 2.8/135』を購入した理由

フルサイズEマウントで使えるレンズとしては、今回紹介している『Batis 2.8/135』のほかに

  • SONY SEL135F18GM FE 135mm F1.8 GM
  • SIGMA 135mm F1.8 DG HSM Art

の計3本がラインナップされています。

いろいろと悩んだのですが、今回は重量や既存資産の活用というところから、市場価格では3本の中でもっとも高価な『Batis 2.8/135』を選択しました。

1つ目の要因は重量。SONYの『SEL135F18GM』は950g、SIGMAの『135mm F1.8 DG HSM Art』は1,230gと、ミラーレス機に合わせるにはちょっと重すぎるんですよね…。特に後者はレフ機向けレンズの設計を流用したレンズということもあってずっしり。

先ほど紹介したように『Batis 2.8/135』は614gと先の2本と比較すると2/3〜1/2ほど軽いので、これなら他のズームレンズと合わせて持ち出してもキツくならないかなあと感じました。

加えて、候補に挙げていた2本はフィルター径が82mmと大きく、手持ちのフィルターを82mm径に全て買い直す必要があるなど、レンズ以外の部分でお金が結構かかりそうというのもBatis以外を買い渋った要因。

Batisであれば、持っているフィルターたちを買い直す必要もなく現在の資産を有効活用できそうだというのが大きな後押しになりました。

実際にかかったコストでいうと、マップカメラにて下取り&購入を同時に行ったことで各種キャンペーン(買取額3%アップ、商品値下げ)が適用され、販売価格20万円のところ手元に1万円が残りました。実質無料どころか実質プラスだ…。

一通り購入までの経緯について紹介したところで、レンズ本体を見ていきます。

Batisシリーズはレンズと一体化したフォルムのレンズフードが特徴で、個人的には今まで見たどのレンズよりもスタイリッシュでかっこいい。

手持ちの『α7R III』に装着してみました。レンズフードを装着していることもあってめちゃくちゃ長い…。

ただレンズ自体はそこまで大きくないので、SONY純正やSIGMAの135mmと比較すると長さ・直径ともにコンパクトに仕上がっています。

レンズフードを外してみるとそれなりにコンパクトなのが分かると思います。個人的にはレンズフードを付けた時の一体感が好きなのですが、レンズが長すぎて邪魔な時は外してしまうことも多いですね。

『Batis 2.8/135』のスペック

レンズ構成11群14枚
絞り枚数非公開
開放絞りF2.8
最小絞りF22
手ブレ補正搭載
最短撮影距離0.87m
最大径×全長98mm × 120mm
フィルター径67mm
重量614g

『Batis 2.8/135』の主なスペックはこんな感じ。

ソニーフルサイズEマウント用の135mmレンズが軒並み開放F1.8なのに対し、Batisは開放F2.8とやや抑えめ。ただF2.8に抑えることで手振れ補正搭載にも関わらず重量614gを実現しているので、ここはトレードオフかなと思います。個人的には開放F2.8は気になりませんでした。

フィルター径も67mmと、82mmだった135mmレンズ他2本と比較するとコンパクト。レンズ径が小さければフィルターも安価に入手できますし、手持ちレンズとの使い回しもできる可能性が上がります。Eマウントであればタムロンのレンズ類が67mmですよね。

撮って出し

さて、ここからは実際に『Batis 2.8/135』で撮影した作例を紹介していきます。まずはRAWファイルをそのままJPEGで書き出した「撮って出し」から。

こちらはレンズが届いた直後に宮島で撮影した写真。開放F値で撮影していますが、葉1つ1つが滲んだりすることなくキレキレに写っていてすごい。ボケかたも自然で違和感がありません。

135mmというとポートレートでの使用が想定されがちですが、僕はスナップでの使用がほとんど。α7R IIIのAPS-Cクロップモードを使えば200mm相当まで寄れるので、ちょっとした望遠レンズの代わりに使うことも出来ますね。

色味は気持ち淡めかなあといった感じ。個人的には鮮やかよりも淡めの方が好みなので気に入ってます。

といっても色が薄いわけではなくて、上の写真の海のように濃く写ってくれる時もあります。良いレンズ…。

135mm、どうしても横より縦で撮りがち。

3ヶ月使ってみた限り、逆光気味のところでもフレアは起きませんでした。逆光耐性が強いのは正義。

カメラの電源入れて適当に撮るだけでもしっかり写ってくれるの本当にすごいレンズ…。

現像後

続いて、α7R IIIで撮影したRAWデータをLightroomで現像した写真の作例をどうぞ。

ボケ感がスムーズかつ綺麗なので、それなりに遠い被写体でもしっかり写りますね。めちゃくちゃ良い。

やっぱり135mmという焦点距離は街のスナップには最高。余計な人や物を入れずに撮りたい被写体だけ撮れるのがたまらない…。

色味が淡いので、ちょっとクラシカルな現像もよく合います。

α7R IIIに使うレンズでは50mmのプラナー(C/Yマウント)が一番好きだったのですが、今はこのレンズが一番好きかも。

開放F値でも解像度が高く、夜でもめちゃくちゃ良く写ります。

これが今のところ一番お気に入りの写真。ちょっと暗いところを持ち上げたりはしていますが、これだけ写るレンズって他にない気がする…。

まとめ: 高価だがそれだけの価値はある135mmの最高峰

こんな感じで、今回はCarl Zeissから発売されているソニーEマウント向けの単焦点レンズ『Batis 2.8/135』を購入した理由と、しばらく使っていて用意した作例をまとめて紹介しました。

フルサイズEマウント向けの135mmレンズの中ではG Masterレンズと並んで高価なレンズではありますが、軽量コンパクトで取り回しやすく、開放でもキレキレの写真が撮れるので使い心地は最高。購入にあたってはGMレンズも試用して吟味したのですが、全体的な使い心地を考えるとBatisを選んでよかったなとすごく感じます。

定価25万、市場価格22万となかなか手が出しづらいレンズではありますが、フルサイズで135mmのレンズを探している人にはぜひ選んで欲しい一本です。

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