2019年の初頭に、当時9年ほど使っていた『Evernote』から『Notion』へとメインの記録ツールを移行したのですが、紆余曲折を経てNotionをメインツールから外しEvernoteに戻ることを決めました。
去年(2020年)くらいから話題になり最近では学生でも使う人が増えているというNotionですが、数年ガッツリ使ってみた結果Evernoteに戻ることにした理由をまとめてみようと思います。
その1: 全てをこなすにはあまりにも中途半端
詳しく説明するほどのことでもないかもしれませんが、Notionは「All-in-one workspace」を掲げるオンラインサービス。タスク管理やプロジェクト管理、wiki、社内ポータル、メモに使える非常に多機能なサービスで、実際に色々な方法で使いこなしている人が多い印象があります。
これだけ聞くと便利なサービスじゃないか!と思うかもしれませんが、触れば触るほど中途半端な印象が強くなってしまうんですよね。
タスク管理を例にあげましょう。一般的なタスク管理アプリはタスクへのコメント追加や豊富な通知設定ができると思いますが、Notionを使ってタスク管理をしようとすると
- サブタスクの登録
- 位置情報ベースの通知
- タスクのクイック追加
といった効率的な機能がないので、結構管理に苦戦し ます。自由にビューを切り替えられるのは便利だなぁとは思うんですけど、タスク管理ツールとして当たり前の機能が付いてないのに管理できる人って、買い物リストくらいにしか使ってないんでしょうか…。
カレンダーにしてもそう。Notionでカレンダー管理してる!という人を見かけたのですが、もはやGoogleカレンダーで良い気がするんですよね。Notionでなければならない理由って「他のページとまとめられる」くらいしかない。
なんでこんな中途半端なんだろうと僕なりに考えた結論が、Notionは全て「ブロック」というた単位で管理されているから。装飾させたり位置を変えたりできるのが便利なブロックですが、ブロックの自由度が高いが故に中途半端になってしまうんだろうな…と。
2年くらい多機能に使おうと努力しましたが、結局それぞれの機能はそれぞれ専用のアプリを使った方が効率的だなという結論に。タスク管理ツールは「位置情報リマインダー」「サブタスク」「外部連携」といった当たり前の機能が使えた方が良いし、カレンダーもそうです。
そうなると使い道としては「メモ」以外になくなってしまうわけですが、それはそれで困ったことが起こってしまうんです。
ノート・メモとしては高機能すぎて使いづらい
それが「メモとしてはあまりに高機能すぎる」ということ。
僕がメモに求めているのは、とにかく早く起動して考えをまとめられること。でもNotionは多機能なので起動も早くないし起動後すぐにメモが取れるわけではありません。おまけにブロックを編集していくNotion独自の仕様のせいで改行の挙動も微妙に他エディタと違うし、そもそも殴り書きするノートには余計な装飾もメニューも不要なんですよ。
ブロックと並んでNotionの特徴でもある「ページ」は一般的なフォルダの代替になるわけではないので、取ったメモを直感的に整理できるわけでもないし…。
上でも書きましたが、僕がメモツールに求めているのは
- すぐに起動して
- 最低限の装飾で十分で
- 考えをすぐにまとめる・深掘りできる
- メモをまとめられるフォルダ・タグがある
こと。ノートを整理するにはフォルダとタグがあれば十分で、それ以外の整理方法や余計な装飾は使わないので、自然とNotionでメモを取る機会も少なくなっていきました。
使いこなそうとするあまりの「使われている感」に疲れた
段々と使う機会が減っていったNotionですが、多機能だしPersonal Proプランに課金していたこともあって「使わないと!」という気持ちは持ち続けていました。
国内外で配信されているYouTubeの動画も多く視聴しましたし、有料noteマガジンや海外の実例、周りでNotionを使っている人の使い方を参考にしたこともありました。
ただ、そういった使い方を見てると、Notionに備わっている機能でこれだけのことができます!っていうよりも「これがやりたいからこういう設定をしました」「これがやりたいので外部ツールを使います」みたいな活用の方法がすごく多いんですよね。
やりたいことは良く分かるんですけど、そうやって「Notionでこれがしたいから別のツールを使う」というのって全く本質じゃないような気がするんですよ。本来は「これがしたいからNotionを使う」というのが正しいのに、もはや「Notionを使いたい」というのが目的になっている感じがしてしまって、それに気がついた途端Notionというツールに対しての熱が冷めてしまいました。
結局、僕が欲しかったのは「全部一箇所で管理できるもの!」ではなくて、それぞれの「やりたいこと」をもっとも効率的にできるツールたち。
2年使い込んだ結果、Notionはそれを実現できるツールではないなと感じたので、僕はNotionをメインツールとして使うことをやめました。
今のNotionの使い方
そんなわけで使わなくなったNotionですが、メインのツール(タスク管理、メモなど)として使わなくなっただけで、特定の場面においては便利だなと感じて使っています。
現在の主な用途の1つが、固定費やサブスクリプションなど料金・お金周りについて管理するページ。
Notionの表はExcel・スプレッドシートほど便利ではないものの、通貨単位を含めた数値の計算やタグを用いたフィルタリングが簡単にできるため、Excelなどを使うほど本格的な計算が不要な固定費周りの管理には便利だなと感じて使っています。
もう一つの用途は旅行の計画やお家周りの情報など、自分以外の誰かと共有する必要があるページを作るとき。
Notionはどちらかというと個人よりもチーム(他人)とシェアするページを作るほうが得意なサービスで、個別URLを簡単に発行できたり閲覧・編集権限もスムーズに設定できるようになっているので、他人に情報を渡すときには使いやすいなと思っています。
他人とシェアするのであれば、Evernoteよりも情報の整理・装飾がしやすいNotionに分があるのかなぁという感じですね。
まとめ
こんな感じで、今回は2年半くらいガッツリとNotionを使ってきた僕が、メインの情報管理ツールとしてNotionを使わなくなった理由をまとめてみました。結局僕にはNotionは多機能すぎたし、Evernoteが肌に合っていたんですよね。
もちろん、個人的に考えた結果Notionは向いてないなと感じた話なので「全部中途半端なNoitonが悪い」とか「Notionを使っている人が悪い」とかそういう話ではありません。
今回久々に世の中にあるツールの中から自分に合うものを選ぶ、という作業を本気でやったのですが、やっぱり本気で選んだ肌に合うツールっていうのは一番使いやすいし愛着も湧きますね。
今Notionを盲目的に使っている人やNotionの使い方に悩んでいる人は、一回「本当にNotionが肌に合っているのか?」と考えてみるのも、ツールを使いこなす上で大事なことかなと思いました。
僕が現在使っているタスク管理ツール・メモアプリなどについては、また別の機会にまとめようと思います。