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ソニーフルサイズ用レンズ『SEL24105G 24-105mm F4 G』レビュー。フルサイズ機に最適な便利ズーム

ソニーのα7R IIIを購入してまもなく丸3年。単焦点・ズームレンズ、オールドレンズなど色々なレンズを購入し使ってきましたが、なんだかんだ一番使う頻度が高いのは「標準ズームレンズ」だったりします。

そんな標準ズームレンズ、これまではタムロンの『28-75mm F2.8 Di III RXD』を愛用してきたのですが、購入して2年ほど経過し、レンズを下向きにすると自然とズームリングが伸びてしまう現象が発生。2度ほど修理をしたもののすぐに症状が再発してしまうため、個体差ではなく設計的に問題があるのかな…と感じるように。

修理には1回4万円ほどかかってしまうため、1年に2回修理をするのであればレンズを買い替えたほうがいいなと感じ、ソニーから発売されているGレンズ『SEL24105G 24-105mm F4 G』を購入してしまいました。

しばらくα7R IIIと組み合わせて使ってみたので、実際に装着した様子や撮って出し・現像後の作例を交えながら紹介していきます。

ソニー『SEL24105G FE 24-105mm F4 G OSS』の外観やスペック

今回紹介する『SEL24105G 24-105mm F4 G』は、ソニーから発売されている焦点距離24mm~105mm、通しF値が4の標準ズームレンズ。

ソニーの標準ズームレンズとしては上から順に

  • SEL2470GM(24-70mm、F2.8のG Masterレンズ)
  • SEL24105G(24-105mm、F4のGレンズ)
  • SEL2470Z(24-70mm、F4のソニーツァイスレンズ)
  • SEL2870(28-70mm、F3.5-5.6の無印レンズ)

の4種類がラインナップされていて、今回は上から2番目に当たるGレンズのSEL24105Gを購入しました。

もともと28-75mm F2.8のレンズを使っていた身からすると、下の2レンズは下位互換になってしまうため真っ先に候補から外しました。
とはいえ最上位のG Masterレンズは20万円オーバーと非常に高価で、買い替え予算を考慮すると難しかったので、F値は上がるものの焦点距離が伸び使い勝手がよくなるであろうSEL24105Gを選んだ形です。

SEL24105Gの本体はこんな感じ。タムロンの標準ズームレンズと比較するとレンズ筐体も高級感があり、伊達に15万円クラスのレンズではないなと感じさせます。重量もタムロンの550gから663gと微増した程度。

側面には手ブレ補正のオンオフ・AF/MF切り替え、カメラ側で設定可能なコントロールボタンが装備されています。タムロンの28-75mmにはない装備なので最初は少し戸惑いましたが、案外すぐに慣れますね。

フィルター径は77mmと標準ズームレンズとしては24-70mm GMレンズの次に大きいです。僕はこれまで最大でも72mm径のレンズしか使ってこなかったため、手持ちのフィルターは全て買い直しになってしまいました…。

レンズフィルターは例によってMARUMIの『EXUS Mark II』を装着。反射率もかなり低く保護性能も文句なしで安心して外でも使えます。

SEL24105G FE 24-105mm F4 G OSSのスペック

レンズ構成14群17枚
絞り枚数9枚
開放絞りF4
最小絞りF22
手ブレ補正レンズ内手ブレ補正方式
最短撮影距離(広角端)0.38m
最大径×全長83.4mm x 113.3mm
フィルター径77mm
重量663g

ソニー『SEL24105G FE 24-105mm F4 G OSS』の主なスペックはこんな感じ。

これまで使っていたレンズと比較すると開放絞りがF4と2段ほど上がってしまいましたが、そのぶん焦点距離は広角に4mm、望遠に30mm広がる形に。APS-Cモードを使用して撮影した場合だいたい160mm相当までズームして使えるため、焦点距離的な使い勝手は格段に向上しました。

レンズの太さや重量はそれなりにアップしてしまいましたが、より撮影できる被写体の幅が広がったと捉えれば十分許容範囲内でしょう。重量もタムロンレンズと比較すると100gほどしか変わってないし荷物の工夫でどうにでもなる。

F2.8とF4の差はほとんど気にならない

タムロンの28-75mm F2.8やシグマの28-70mm F2.8 Contemporaryなど、最近は軽量・F2.8通しの標準ズームレンズが目立ちがちではありますが、4ヶ月ほどF4通しのレンズを使ってみたところ、F値の差は大して気になりませんでした

結局、F2.8通しとはいえF2.8で撮影する機会がどれくらいあるかというと、そこまで多くないんですよね。開放で撮るとどうしても被写体の一部がボケてしまうことがあったりしますし、景色を撮る場合はガッツリ絞ってF7.1~F9くらいにすることが大半。

唯一、夜景を明るく手ブレせずに撮りたいときにF2.8を使うかな…とも思いますが、SEL24105Gはタムロン28-75mmなどにはないレンズ内手ブレ補正を搭載

α7シリーズであればボディ内手ブレ補正も搭載されているため、これらの手ブレ補正を組み合わせることで手持ち・F4撮影でも手ブレすることはぼぼありません(そもそも三脚を使うことも多いでしょうしね)。

そういうわけで、個人的にはF2.8通しからF4にステップダウンしても、実用面では問題はありませんでした。焦点距離を取るか開放F値を取るか、悩ましい部分ではありますが個人的には焦点距離を取ってよかったです。

α7R IIIに装着してみた様子

実際にα7R IIIに装着してみました。さすがにタムロンの28-75mmと比べると存在感があります。

望遠端が105mmなので、ズームリングを最大まで伸ばすと結構長いですね。

横から見るとこんな感じです。右手でカメラ本体を、左手でレンズを持つとコントロールボタンがちょうど良い位置に来て使いやすく、AFなどを割り当てると使い勝手も良好な感じがしました。

ソニー『SEL24105G FE 24-105mm F4 G OSS』の撮って出し作例

さて、ここからは実際にソニーの『SEL24105G FE 24-105mm F4 G OSS』で撮影した作例を紹介していきます。まずはRAWファイルをそのままJPEGで書き出した「撮って出し」から。

伊豆・寝姿山にて

まずは曇天のもと広角端で撮影した1枚。レンズによって色が変わることは現代レンズではほぼ無いですが、SEL24105Gも「カメラの色」をしっかり反映しています。

晴天下なら色乗りも良く、自然で綺麗な写真が撮れますね。

ソニーは緑とオレンジが少し派手に出る印象がありますが、SEL24105Gは比較的派手になるケースが少ない感覚があります。全体的によくまとまっているという感じですね。

α7R IIIで動体撮影は酷な話ですが、フォーカス速度自体は早くα9などでの使用にも問題なさそう。

オレンジは少しホワイトバランスが乱れがちですが、レンズというよりカメラ側の問題なので問題なし。ご飯も美味しそうに撮れます。

ソニー『SEL24105G FE 24-105mm F4 G OSS』の現像後作例

続いて、α7R IIIで撮影したRAWデータをLightroomで現像した写真の作例をどうぞ。

タムロン28-75mmと同様このレンズも防塵防滴仕様なので、多少の雨や水滴程度であれば気にせず使えます。

F5.6~7.1の範囲が最も解像力が高く、被写体を問わず凄くシャープに写りますね。

望遠端で撮影するとこんな感じです。湾の向こうの森林も潰れず撮れています。

FUJIFILMのクラシックネガライクに現像してみるとこんな感じ。

開放で撮影。色乗りがかなり良いのか、現像によって爽やかな雰囲気に仕上がりました。

24-105mm(APS-Cで160mm相当)と幅広く使えるので、場面を問わず使えて良いレンズです。

「標準」がまた楽しくなるズームレンズ

こんな感じで、今回はソニーから発売されている標準ズームレンズ『SEL24105G 24-105mm F4 G』をしばらく使ってみた感想や作例を紹介してみました。

僕自身これまではContaxのPlanar 50mm F1.4やCarl ZeissのBatis 135mmなど単焦点レンズを好んで使うことが多く、ズームレンズは物撮りや動画撮影といった場面でしかあまり使ってこなかったのですが、焦点距離の幅と画質を両立させたSEL24105Gは使い勝手がかなり良く感心しています。

実際、このレンズを購入する前は単焦点レンズ数本で行くことの方が多かった外出・旅行も最近ではSEL24105Gのみで行くようになったため、なんだかんだズームレンズの魅力は大きいよなあと。

F2.8通しのレンズと比べてもボケや明るさで特別劣る場面も少ないですし、焦点距離を考えると24-105mm・F4というスペックは非常にバランスの取れた良いレンズだと思います。

標準ズームレンズを購入するときは、多少予算オーバーでもぜひ候補に入れたい一本です。

このほか、僕がα7R IIIとあわせて使っているレンズやアクセサリーについてもまとめていますので、あわせて参考にどうぞ!

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