昨年の7月に購入し、1月末にはレビュー記事も公開したソニーの高級コンデジ『RX100M5』。
コンパクトながらしっかりとした写真が撮れるということで個人的には気に入っていたポイントも多いのですが、手持ちデバイスが変わったり自分が「サブカメラ」に求めるものがハッキリした結果、RX100M5を手放すことにしました。
そういうわけで、今回の記事では『RX100M5』で気に入っていたポイントと、手放すに至った理由、それと自分自身がサブカメラに求めるものについて紹介していきます。
目次
RX100M5で気に入っていたポイント
α7R IIIと同じ色味・写りが楽しめる
まずRX100M5で気に入っていたポイントは、他のソニー製カメラと(基本的には)同じ色味・同じ写りが楽しめるというところ。
何度かブログで紹介していますが、僕はソニーのフルサイズミラーレス一眼『α7R III』をメインのカメラとして3年以上使っています。
風景写真やブログ用のブツ撮り写真はほとんどα7R IIIで撮影していますが、α7R IIIが持ち込めないような場所や「α7R IIIが被写体になる」シチュエーション(レンズレビューなど)では、サブカメラを使わざるを得ない場面があるのです。
そういったときに『RX100M5』であれば、センサー世代の違いなど細かい部分はあるにせよ、メインカメラとサブカメラで基本的な色味が統一できる、というのは中々便利なところでした。
コンパクトで持ち運びやすく撮影への敷居が下がる
もう一点気に入っていたのはそのサイズ感。
メインカメラである『α7R III』は使い心地・写りなど非常に好みなのですが、唯一気になるポイントとして「大きさ」というものがありました。
カメラ友達やインターネットで知り合った友人たちと出かけるぶんには全く気にならないのですが、小・中・高・大の友達(いわゆるリア友)と出かけるとなると、どうしてもフルサイズ機なりの大きさが気になってしまうんです。
料理や風景を撮るのであればまだ良いのですが、友人たちを撮ろうとすると、彼らからすると「デカくて強そうなカメラ」を向けられていると思って身構えてしまうんですよね(実際デカいんですが)。そうなると、どうしても友人たちの自然な表情を撮ることができなくなってしまって…。
その点RX100M5であれば「コンデジ」の範疇なので、カバンから取り出してもあまり身構えられることも少ない。
友達とのご飯にサッと持っていけるし、それでいて24-70mm F1.8-2.8という高性能なレンズを搭載しているので、なにかを極端に犠牲にすることなくダウンサイズできるため、非常に気に入っていたのです。
RX100M5を手放すことにした理由
さて、そんなお気に入りポイントのあったRX100M5ですが、記事のタイトルにもある通り手放すことにしました。ただし、むやみやたらに手放すのではなく、自分にとって合うか・合わないかを考えた結果。
画質(特に夜の画質)に満足できなくなった
手放すことを決めた1つ目の理由が、夜間撮影時の画質。
元値10万円クラス、RAW撮影OK、αシリーズと原理が同じセンサー搭載のカメラとはいえ、結局センサーサイズが小さいと写りに直結してしまいます。
RX100M5(RX100シリーズ)のセンサーサイズは1型なので、どうしてもAPS-C・フルサイズと比べると取り込める光の量が少なくなってしまい、明るく写そうとするとノイズが載ってしまうのです。
1つ上のクルーズ船の写真は比較的ノイズが少ない写真になっていますが、上の東京スカイツリーの写真はこの小さいサイズで見てもはっきりとノイズが載っていることが分かると思います。これ、絞り優先オートかつF1.8(開放)で撮った状態ですからね。
もちろん設定をマニュアルにした上でシャッタースピード・F値・ISOなどを細かく設定すればノイズの少ない・ノイズのない写真が撮れるのでしょうけど、楽に撮りたいから買ったコンデジでそれをやってしまうと買った意味が無いんですよ。パラメーターを弄るならα7R IIIで撮りたい。
結局、夜の撮影の場合はRX100M5よりも手持ちのスマートフォンで撮影してしまったほうが簡単に明るい写真が撮れるので、次第に夜のお出かけにRX100M5を持ち歩くことは少なくなってしまいました。
結局現像が必要で、取り回しやすくなかった
手放すことにした2つ目の理由は「なんだかんだ現像しないと好みの色じゃない」という点。
α7R IIIをメインとして使っていますが、実は僕自身はソニーの撮って出しの色味が好きではありません。なんとなく黄色と緑の発色がうるさいというか、ちょっと色が強いというか…。
Lightroomで現像するときはソニーではなくAdobeのプロファイルを使いますし、むしろソニーのプロファイルで現像したことはそんなに多くないかもしれません。
この傾向はRX100M5でも全く同じで、せっかく「コンパクトで取り回しやすい」カメラを買って撮影・運搬の敷居を下げたのに、色味が気に入らないからRAWで撮って現像するという「RX100M5じゃなくて良いのでは?」とほぼ100%の確率で言われてしまいそうなことをしていました。
最終的に現像して出てくる色味が気に入っていたのでこのポイントは影に埋もれがちだったのですが、よくよく考えるとRX100M5である必要はないな…と実感するところでもありました。
SIMが入るカメラ(Xperia 5 III)を入手した
RX100M5を手放すことにした最後の理由は、2月中旬にソニーのスマートフォン『Xperia 5 III』を手に入れたから。
昨年末~年度末にかけて、携帯業界では「実質1円」「実質24円」という数年前に聞いたようなフレーズとともに(販売の仕組みこそ当時と違いますが)各種スマートフォンの叩き売り・叩きリース販売が行われていたのですが、僕もそのどさくさに紛れて2年間24円のリース販売で『Xperia 5 III』を入手していたのです。
このスマートフォン、カメラモジュール自体は3眼構成なのですが望遠側のレンズが内部で動き70mm・105mmと2つの焦点距離が切り替えられるというやや変態じみた構造になっていて、これ1台で
- 16mm
- 24mm
- 70mm
- 105mm
という4つの焦点距離で撮影できる優れもの。
αの技術を転用して使っているので写りもαシリーズと基本的には同じですし、センサーサイズの小ささは最近のスマホお得意のAI補正によってカバーできるので、RX100M5と違って夜景はそこそこまともに写ります。
なによりXperia 5 IIIはSIMが入るので、撮影して気に入った写真があるとすぐSNSでシェアできるんですよ。スマホなので当たり前なんですけど、RX100M5より綺麗に撮れる場面が多くて、RX100M5よりも簡単にシェアできるカメラを入手してしまったので、これがRX100M5を手放す決め手になってしまいました。
さよなら、RX100M5
そういうわけで、僕はRX100M5を手放すことにしました。
記事でも触れた通り、RX100M5は良かったポイントも多くて気に入っていましたし、コンデジを買うのであればRX100シリーズだな、と言い切れるほどオススメできるカメラ。現時点の僕にとっては求めているものとの相性が良くなかっただけで、いつか機会があれば手元に呼び戻したい1台でもあります。
また、RX100M5に10ヶ月ほど触れた中で、僕の中に「サブカメラに求めるもの」がはっきりしてきたなと感じました。僕がサブカメラに求めるものはやっぱり
- α7R IIIよりコンパクトで
- どんなシチュエーションでもそれなりによく写って(ノイズだらけにならなくて)
- JPEG撮って出しで使っても気にならない色味
といったところ。ソニーの色味がほしいときはα7R IIIを使うし、αが使えないときはXperia 5 IIIを使えばよいのです。
RX100M5を手放して新たにサブカメラとして迎え入れたのは、この1台。
1年半ぶりのFUJIFILM、今なら前よりも上手に使いこなせるだろうと思っています。