FUJIFILM Xマウントレンズ群の中で最も使ったレンズは以前レビューした『XF35mmF1.4 R』ですが、使っていて最も気持ちよかったレンズがこれ。
今回紹介する『XF90mmF2 R LM WR』は、フルサイズ換算135mmと中望遠ながら驚異的な写りの良さとキレを両立させた、Xマウントでも間違いなく買い!といえる一本。
バシッと決まった時の写りが気持ちよすぎて、購入してからすべての旅行に持っていったほど。今回は『XF90mmF2 R LM WR』をしばらく使ってみた感想や作例などをまとめていきます。
『XF90mmF2 R LM WR』の外観やスペック
こちらがXF90mmF2 R LM WR本体。レンズ重量は540gとXマウントの単焦点レンズの中では重量級ですが、写りの良さと比較すると十分許容範囲かなと思います。
所有しているXマウントボディの『X-T30』に装着してみました。
X-T30はXシリーズの中では小型なのでXF90mmを装着すると少しアンバランス。標準の状態ではグリップしづらいので、外付けグリップなどがあると良さそうです。
上から見るとこんな感じで明らかにレンズ側のほうが重そう。僕はX-T30との組み合わせでも問題なく使えましたが、人によってはもっと大きなボディでないとうまくホールド出来無さそうですね…。
『XF90mmF2 R LM WR』のスペック
レンズ構成 | 8群11枚 |
---|---|
絞り枚数 | 7枚 |
開放絞り | F2 |
最小絞り | F16 |
手ブレ補正 | 非搭載 |
最短撮影距離 | 0.6m |
最大径×全長 | 75.0mm × 105mm |
フィルター径 | 62mm |
重量 | 540g |
『XF90mmF2 R LM WR』のざっくりしたスペックはこんな感じです。Xマウントのレンズは大半が手ブレ補正非搭載ですが、XF90mmも例によって非搭載。手ブレ補正が欲しい場合はX-T4やX-H1などハイエンド機を使いましょう。
スペック表には書いていませんが「クアッド・リニアモーター」というAF機構を搭載しているので、旧世代のセンサーを使っているボディでもAFの合焦速度が凄く速いです。スナップしていて撮りたいときにさっと撮れるのがかなり便利。
個人的に気に入ったのは焦点距離で、換算135mm相当と中望遠ながら60cmまで寄れます。頑張れば寄りで使えちゃう便利さも魅力的だな~と使っていて感じました。
撮って出しの作例
さて、ここからは実際に『XF90mmF2 R LM WR』で撮影した作例を紹介していきます。まずはカメラ本体のフィルムシミュレーションのみを適用させた「撮って出し」から。
開放で撮っても合焦した部分のキレが本当にすごい。フルサイズのエントリー帯レンズよりもよっぽど解像してる気がします。
90mm、換算135mmは個人的に縦構図で撮影することが多いので作例もそのようになっています。
湯気の濃淡までしっかり写ってる。
換算135mm相当なのでちょっと先の景色も良い感じに切り抜ける…。
そしてとにかくボケが滑らかで綺麗なので、前ボケをたくさん入れても写真がうるさくならない。
被写体が浮き出るレンズ、と言われることも多いけどまさにその通りのレンズだなあと思います。
日の丸構図の写真だって飽きずにたくさん撮れる。とにかく適当にシャッターを切ってもよく写ってしまうので、一度取り憑かれると中々手放せないレンズです。
現像後の作例
続いて、フィルムシミュレーションを適用させて撮影したJPEGもしくはRAWを、Lightroomなどで現像した写真の作例をどうぞ。
最短焦点距離が60cmだとこんな写真も割と簡単に撮れちゃいます。
「伊香保温泉」にピントが合っていて、それ以外は綺麗なボケ。
鈴緒の網目の解像感たるや堪りませんよね。
換算135mmだとどうしてもポートレート用レンズだと考えられがちですが、とにかく取り回しがしやすいのでスナップにも余裕で使えます。僕の場合はほぼスナップ用に使っていました。
台湾の離れ小島で撮った夕日。
90mmで撮りたかった京都の先斗町。ご飯食べたかったけどちょっと予算オーバーだった…。
清水寺の入り口もかなり寄った構図で撮れる。
夕暮れ時の貴船神社で撮った写真たちが一番お気に入りです。
アンダーで撮影して少し持ち上げているんですが、黒塗装が光っている部分の木目がしっかり写っているところ、本当に好き。
写真の中に色々入り込んでしまっても合焦した部分がしっかり浮き出る写り、最高ですよ。
まとめ
こんな感じで、今回はFUJIFILMから発売されている中望遠単焦点レンズ『XF90mmF2 R LM WR』の作例や使ってみた感想をまとめました。
90mm推しの友人に勧められるまま購入したレンズだったのですが、合焦速度や写りの良さ、ばっちり決まった時の嬉しさはXマウントレンズの中でも群を抜いて優れている1本だなと感じました。
手ブレ補正が非搭載であることや他のレンズと比較して重い点は若干マイナスかなとは思いますが、こうしたデメリットを受け入れてでも使う価値のあるレンズだと思っています。
価格はAmazonで100,000円程度。APS-C規格の単焦点レンズとしては正直かなり高価ですが、納得できる描写が得られること間違いなし。ぜひチェックしてみてください。
X-T30と一緒に使っているレンズやアクセサリーなどの情報は別にまとめ記事として書いています。おすすめのアクセサリーも紹介しているので、気になる人はぜひこちらもどうぞ。