世間は発表されたばかりの『iPad Air(第5世代)』の話題で持ち切りですが、今日はiPad Proのお話。
先日、M1チップを搭載した11インチiPad Proを購入しまして、これまで使っていた12.9インチiPad Proを約3ヶ月で置き換える決断をしました。12.9インチモデル以前は2年半ほど11インチモデルを使っていたので、いわゆる出戻りの形です。
タブレットなんてそうそう買い換えるものでもないのに気が狂ったのか?と思われそうですが、12.9インチという大型モデルを使ったからこそ分かる11インチモデルの良さがありました。
というわけで、今回はわずか3ヶ月で12.9インチiPad Proから11インチiPad Proに戻った理由を、ハードとソフト両面からまとめていきます。
11インチから12.9インチに買い替えた昨年末
前書きでもサラッと紹介したように、僕は2019年の初頭に11インチiPad Pro(初代)を購入して以来、2年半以上に渡って11インチモデルを使ってきました。
購入当初は『Smart Keyboard Folio』を、2020年からは『Magic Keyboard』を併用して、パソコンを持つのが億劫な旅行・簡単な取材においては代用としても使っていて、写真の現像からブログ執筆までをワンストップで行える超便利な端末として大変気に入っていました。
そんな11インチを手放したきっかけが、去年の初冬に始めた一人暮らし。
2年半11インチを使い込んだことでバッテリーの持ちが悪くなってきたこと、外出時にはM1 MacBook Airを持つことが増えていたことから、ここらで一度11インチモデルからステップアップしてみても良いのでは?と思って、A12Zチップを搭載した12.9インチモデル(整備品)を購入したんです。
購入した当初は「画面が大きい!」「動画が見やすい!」とそれなりに気に入ってはいたのですが、3ヶ月経った今は全く愛着がなくなってしまい、結果的に手放すことに。
ハード面の不満: デカさは正義…ではない
12.9インチiPad Proのハード面の不満は、ずばりデカすぎて不便だったこと。「わざわざ大きいiPad買って何言ってるんだ」と思われるかもしれませんが、少なくとも僕にとって12.9インチは不便でした。
280.6mm × 214.9mmというA4サイズに近い大きさを持つ12.9インチiPad Proは、確かに動画や雑誌などの視聴覚コンテンツを消費するにはとっても便利。ですが、684g(セルラーモデル)という重さは全く便利ではありません。11インチモデルより200g重くなったことで、本体サイズの巨大化とあわせて明らかに「持つのが億劫になったな」と感じるレベル。
外から持ち出さない前提で買ったのに、家の中ですら持ち運ぶ機会が少なくなってしまいました。
12.9インチiPad Proの使い道として多くの人が挙げている「手書きメモ」も、初めの方こそ使いましたが次第に使用頻度は激減。
タスク管理・メモ管理システムを年始のタイミングで再構築し、改めてデジタルツールのNotionに向き合ってみることにしたため、メモは基本的に物理キーボードで入力するようになってしまったんです。
かといって、12.9インチモデル用のMagic Keyboardを導入して使うことも考えられない。
12.9インチiPad Proとそれに対応するMagic Keyboardを組み合わせると、重量は驚きの約1.4kg。これは僕が使っているMacBook Air(M1)の約1.29kgよりも重いんです。Macよりも重いのに出来ることの幅と効率はMacより狭い・悪いなんて、個人的には非効率の極み。
もちろん人によって「これが便利」というのはあるでしょうが、僕にとってiPad ProとMagic Keyboardの組み合わせは「Macより軽くてMacの8割くらいのパフォーマンスができる」環境であってほしいのです。
ソフトウェア面の不満: US配列使用者を尊重しろ
12.9インチiPad Proをやめようと思った最大の不満点が「ソフトウェアキーボードでの日本語入力時にUS配列が選べない」こと。上で挙げたようなハード面の不満は、極論を言えば我慢するか慣れてしまえばどうってことないポイントなのですが、ソフトウェア面での不満はどうにもなりませんでした。
上のスクリーンショットは、11インチiPad Proで日本語入力をしようとソフトウェアキーボードを出したところ。キーの配列は一般的なJIS配列とは違うUS配列になっていて、日頃からUS配列を使っている僕からすると違和感はありません。
で、12.9インチiPad Proで同じことをした結果が上の画像。こちらでは配列がJIS配列になっていて、普通の人であれば11インチよりも入力しやすいのではないかと思います。
が、僕にとってこの配列はめちゃくちゃ使いづらい。エンターキーの位置もおかしいし、装飾キーを詰め込むために英字キーが左側に寄ってしまっている…。
購入する前に気が付いていればよかった話なのですが、これはどうやら12.9インチiPad Proの仕様みたいで、Appleのサポートコミュニティを見ると2020年にはこの話題が起きていた模様。
ソフトウェア側で起きていることなのでAppleが日本語入力時にもUS配列を選べるようにさえしてくれれば問題ないのですが、2年近く経ってもこのままなのでもう仕様として揺るがないのでしょう。
大きすぎる・手書きメモとしても使えない・ソフトウェアキーボードも使えない・ハードウェアキーボードを着けるとMacより重い…、はっきり言ってしまうと今までで一番扱いにくく、事実使うことが少なかったiPadでした。
ぼんやりと買い替えを検討した1月末くらいから「不憫すぎるからなんとか使ってあげよう」と四苦八苦したのですが、愛着のなさにホーム画面のレイアウトすら決められない始末。ここまで使わないのであれば早いところ手放して、12.9インチを求めている人の手に渡ってほしいなと思って手放すことにしたわけです。
そうして新たに購入したのが、M1チップを搭載した11インチiPad Pro(セルラー・128GB)とMagic Keyboardの組み合わせ。12.9インチ導入前に使っていたペアそのまま、iPad本体だけ最新のスペックにした形です。
3ヶ月ぶりに手に取った11インチiPad Proですが、まあ手に馴染む馴染む。やはり僕にとっては11インチこそがなんでもワンストップにこなせるパートナーなんだなと感じました。近々遠出の予定があるので、そのときはMacBook AirではなくiPad Proに頑張ってもらおうと思っています。
まとめ: 手放してこそ分かるモノの良さもある
12.9インチモデルを購入する前は「大きいほうが使い道も広がるし正義でしょ」としか考えていなかったのですが、まさかその大きさがハードでもソフトでも仇になってしまうとは思ってもみませんでした…。
もちろん人によっては12.9インチのほうが便利だと感じることもあるので、今回のエピソードはあくまでも個人的な体験談に過ぎません。が、僕個人としては「スペックや大きさなどの強さで選ぶのではなく、自分の使いたいシーンを見極めて選ぶことが大事」ということをあらためて痛感した出来事でした。
そんなこんなで、12.9インチiPad Proとの日々は3ヶ月で終わり、再び11インチiPad Proと過ごす日常が始まりました。M1チップ搭載の最新モデルということで、これから2~3年は「ちょうど良い大きさ・スペックのマシン」として大切に使っていきたいなと思います。