もう1週間弱で2022年も終わりということで、このブログも年末恒例の「アドベントカレンダー」にいくつか参加しています。今年も昨年に引き続き、ぜろ(@_0_zero)さんが主催している「今年のベストバイガジェット Advent Calendar 2022」というカレンダーに参加しました。
『今年一番「買って良かった!」と思うデジタルガジェットを語る』ということで主催者を変えながら続いている企画で、過去にはマットレス・テレビ・車・炊飯器などユニークなものも多数紹介されています。
昨日(12月20日)を担当してくれたのは花椒飴(@huajiaodrop)さんで、ベストバイはFUJIFILM『X-T5』でした。
企画の紹介も済んだところで、さっそく僕が選ぶ2022年のベストバイを紹介していきましょう。
目次
今年のベストバイガジェットはソニー『α7R V』
僕が選ぶ2022年のベストバイガジェットは、2022年11月25日にソニーから発売されたフルサイズミラーレス一眼カメラ『α7R V』です。本来であれば別のガジェットがベストバイになる予定でしたが、個人的な「α7R IIIの後継機が欲しいな」という願望に刺さりすぎる一品だったのでぶっちぎりのベストです。
市場流通価格は約560,000円、比較的安価と言われているマップカメラで購入した当時の金額は499,950円と、はっきり言って趣味で買うカメラの金額を逸脱しています。
購入理由: 勢い
そんなあり得ない値段のα7R V、購入した理由は色々とありますが一言にまとめると「勢い」に尽きます。これは豆知識ですが、50万円のカメラは勢いで買うものではないです。
2018年に先々代にあたる『α7R III』を購入して以来4年に渡って使い続けてきましたが、10月の時点ではこのカメラをもう1年使い続けるつもりでした。
個人事業の予算で購入したカメラだから会計的な都合がある、そもそもシャッター回数も2万回ほどでまだ使える…など理由はありますが、大きな理由としては「ソニーが出すカメラにあまり期待していなかった」というものがあります。
α7R IIIを購入した2018年以降にソニーから発売されたフルサイズミラーレスカメラは
- α7R IV: 2019年9月6日
- α9 II: 2019年11月1日
- α7S III: 2020年10月9日
- α7C: 2020年10月23日
- α1: 2021年3月19日
- α7 IV: 2021年12月17日
の6機種なのですが、ソニーのカテゴライズで「プロフェッショナルモデル」に分類されているα9 II・α1と、高画素機&旧世代エンジンのα7R IVを除いた3機種はすべてバリアングル液晶が搭載されています。
高感度耐性を備えて動画機寄りなα7S IIIがバリアングル液晶なのは理解できますが、フルサイズ機のスタンダードモデルであるα7C・α7 IVの2機種にも搭載されているのは、メーカーがターゲット層として動画ユーザーに重きを置いていた証拠でしょう。
これら3機種が登場した当時はYouTuberが大量発生した時期で、ソニーに限らず各社バリアングル液晶を搭載したカメラを発売していたというのもあります。が、こういった流れでフルサイズのスタンダードモデル(事実上のエントリー機)が動画寄りの作りになってしまうのは、写真を主にするユーザーからすれば溜まったものではないんですよね。もっと言うとバリアングルモニターのカメラは極力使いたくない。
そういうわけで、もし今後登場するであろうα7R Vも「時代の流れに乗りました」とバリアングルモニターを搭載しようものなら、これは多少の出費をしてでも古巣のニコン・Zマウントにマウント変更しなければな…と思っていたんです。
そんな中でソニーが発表したのが、動画ユーザーにばかり媚を売るのではなく写真ユーザーに目を向け、先代のα7R IVで散見された問題点をしっかりと潰してきた『α7R V』でした。
少なくとも僕が懸念していたモニター部分は「4軸マルチアングルモニター」という形でバリアングル+チルトを両立させ、画質面・機能面もα7R IIIからのアップグレードに相応しい進化を遂げていました。
これだけ不満点を解消して魅力的になったカメラ、勢いでも買わないわけにはいかないんですよ…(僕の口座は号泣しています)。
ベストバイ選出理由: α7R IIIの正統後継機だから
そういうわけで、ベストバイにα7R Vを選出した理由は「α7R IIIの正統後継機」だからということになります。
単純なスペックだけを見ても、α7R IIIで約4240万画素だったセンサーが約6100万画素へ進化し、画像処理エンジンもBIONZ XからBIONZ XRへアップグレードされました。約6100万画素センサーとBIONZ Xを組み合わせた『α7R IV』が後続のαシリーズと比べると「画像処理エンジン世代が中途半端で残念モデル」だったこともあってか、個人的にはα7R Vがドンピシャの後継機として映ったわけです。
画像処理エンジンがBIONZ XRになったことで既発のαシリーズでも好評な新UI・クリエイティブルックが使えるようになったり、α7R IIIと比較して撮影後のラグもかなり少なくなった印象。公称では露出制御と色再現性能の精度も大きく上がっているとのことなので、ここら辺は長く使っていく上で実感していく部分なのでしょう。
「α7R IIIの正統後継機だから」という理由だけで選出理由を済ませてしまうのは少し雑すぎる気もするので、実際に2週間ほど使ってみてここがα7R IIIから良くなっているなと感じるポイントを2つほど紹介します。
4軸マルチアングルモニターが最高
目に見えて分かる部分で気に入っているのが、α7R Vで初搭載になった4軸マルチアングルモニターです。
「買った理由」の部分でも触れたように僕は動画よりも写真を撮影する機会が圧倒的に多いので、昨今の動画ユーザーに目を向け過ぎてなんでもかんでもバリアングルモニターにしてしまう風潮はあまり好ましく思っていません。
正直、バリアングルモニターは写真メインのユーザーからすれば良い点は多くありません。カメラ本体より外側にモニターがある(光軸上からズレる)せいでモニターを見ながら構図を調整することが難しかったり、モニターを上下に調節したいだけなのに都度モニターを本体から引き出さなければいけなかったりと、チルトと比べると何かと手間がかかってしまいます。
ソニー以前に愛用していたニコンが「動画機(Z30)とZ fcはバリアングル、それ以外はチルト」とある程度方針を明確化している中、ソニーはスタンダード機にバリアングルモニターを搭載していましたから、先述したようにα7R Vもバリアングルモニターなのかもな…と正直腹を括っていました。
そんな中でソニーが提示してきた解答が、この4軸マルチアングル液晶モニターです。写真ユーザーは歴代のα7Rシリーズで慣れ親しんだチルトモニターを使い続けられ、動画ユーザーやバリアングルモニターが好みな人はバリアングルモニターが使える。これは流石にたまげましたし、いざ使ってみると両者の「いいとこ取り」が出来てとっても便利なんですよね。
同時期に発売されたFUJIFILMの『X-T5』はバリアングルを廃止してチルト液晶へと回帰しましたが、α7R Vは写真・動画の両ユーザーを取りこぼさないぞという意思を感じます。ちなみにバリアングルモニターの悪口は僕よりも前日を担当した花椒飴さんのほうが直球です。
8段手ブレ補正が化け物
もう一つ見逃したくないポイントが、大幅に強化された手ブレ補正。α7R IIIでは約5.5段分だった手ぶれ補正がα7R Vでは約8段分にまで向上していて、これまでなら手ブレが起きていたであろうシチュエーションでも手ブレの心配が少なくなりました。
夜のシーンで撮影することが多い僕としてはこの改善は非常にありがたいもので、画像処理エンジンの改良でα7R III比ノイズが発生しにくくなったことも相まって、夜でも手ブレ・ノイズの両方をあまり気にせず撮影できるように。
この写真はα7R Vが届いた翌日に丸の内を歩いていた時に撮影したものですが、手持ち撮影・シャッタースピード1.3秒で全くブレがないんですよ。α7R IIIを使っていた頃はこんな写真撮れなかったですし、冷静に狂っている。
色々と設定を試行錯誤した結果、今の僕の腕前では1.5秒までであれば手ブレほぼゼロ、2秒までであればSNSサイズに縮小すれば手ブレは気にならないといった結果でした。
ちなみにこの手ブレ補正、
- SEL24105G
- SEL70200GM2
- SEL100400GM
- SEL200600G
といった一部のソニー純正レンズを装着している場合、ボディ側とレンズ側の手ブレ補正を協調させることができるようになっています。
なおSEL24105Gを使っていた僕は、高画素機に合うレンズが欲しくなってSIGMA 24-70mm F2.8 DG DN Artに即買い替えてしまいました。お金が足りない。
購入から2週間の作例
さて、購入理由やベストバイへの選出理由をまとめたところで、購入から2週間の間に撮影した作例たちを見ていただきましょうか。
当初予定していた作例(夢の国的なやつ)が掲載できなくなってしまったためシチュエーション的には夜のシーンが多いですが、強力な手ブレ補正と圧巻の解像度を楽しんでいただけるかと。全ての写真は手持ちで撮影し、撮影後はLightroom Classic CCを使用して現像・レンズ補正をかけています。
また今回は初めての試みとして、画像をクリックすると別タブでフルサイズ表示するようにしてみました。圧縮こそしていますが、長辺9,000pxを超える画像ばかりなのでくれぐれもお気をつけを。
まとめ
まだ手元に届いてから1ヶ月も経っていませんが、α7R Vは本当に買ってよかったカメラだと心から思っています。
順当なスペックアップもそうですが、何より僕が求めていた「α7R IIIの後継機」というポジションに寸分の狂いもなく収まってくれたことが大きく、こりゃしばらくEマウントからは抜け出せそうにないな…と感じるばかり。少なくともこれから先5年はEマウントと連れ添うことになるでしょうし、早いところソニー純正のGマスターレンズを揃える必要がありそうです。
改めて、この記事は「今年のベストバイガジェット Advent Calendar 2022」21日目の記事でした。明日(22日目)の担当は『でこにく』のでこいさんです。年中ガジェットばかり買っている印象なので、その中から何がベストバイになるのか楽しみです。
余談: 2022年のベターバイ
本題も終わったことですしここからは肩の力をぐっと抜いて、α7R Vを買わなかったらベストバイだっただろう候補を2つ、ベターバイとしてサクッと紹介します。
460L冷蔵庫 東芝『GR-U460FZ』
ほぼ毎日自炊・買い出しは週に1回車で、というペースの食生活を送っていると、どう考えても1人暮らし用の冷蔵庫では小さすぎて無理があります。
常識的に考えれば300Lクラスを購入するのが正しいのでしょうけど、せっかくなら大きい方が長く使えそうと思って、460Lというファミリーサイズの冷蔵庫『GR-U460FZ』を購入してしまいました。24歳独身一人暮らしです。
半年ほど使っていますが「大は小を兼ねる」という言葉の通り、ちょっとやそっとの買い出しではビクともしない大容量っぷりで、コストコに肉・野菜を爆買いしに行く機会が増えました。
冷蔵庫の買い替えにあたっては色々と試行錯誤した部分もあるので、早いところ軽めの連載で紹介したいなと思っています。
最高のおさんぽカメラ FUJIFILM『X-E4』
ちょうど先日参加した「カメクラが沼へ誘う Advent Calendar 2022」でも紹介した、FUJIFILMのミラーレス一眼『X-E4』もベストバイ候補の1つでした。この軽さ・大きさでFUJIFILMが使えるのは魅力的だし、おさんぽカメラとして手放したくないカメラですね。
詳しくは別記事で書いているので、以下のリンクからどうぞ。